| セッション情報 |
パネルディスカッション1.
消化器領域におけるゲノム解析の現状と展望
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| タイトル |
PD1-07 HCV複製増殖に関連する遺伝子群および細胞内シグナルネットワークの網羅的解析
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| 演者 |
櫻井幸(東京医科歯科大学消化器内科) |
| 共同演者 |
坂本直哉(東京医科歯科大学大学院分子肝炎制御学), 渡辺守(東京医科歯科大学消化器内科) |
| 抄録 |
【目的】細胞内でのHCV増殖には種々の宿主因子が関連する.今回我々はHCV replicon rw胞を用いHCV増殖の影響による遺伝子発現変化と宿主細胞株の選択による遺伝子変化を分離して網羅的に解析しHCV増殖に関与する遺伝子群および分子間ネットワークの解析を行った【方法】Naive Huh7HCV genotype lb2a replicon細胞およびcured細胞における遺伝子発現プロファイルをDNA microarray(Affymetrix)にて解析しT階層的クラスター解析を行った.またcured細胞とreplicon細胞およびNaive細胞とcured細胞間での遺伝子発現を比較しMetaCoreTMおよびReactomeのパスウェイデータベースを用いてHCV増殖に関与する分子間ネットワークの解析を試みた.【結果】個々の細胞株間で12倍以上の変動を示した遣伝子計2701個を抽出して系統樹解析を行ったところNaivereplicon細胞およびcured細胞のそれぞれ個々のクラスターに分類することが可能であった. rep-licon細胞とcured細胞間でのパスウェイ解析ではインスリンレセプターシグナル(p=O.023)や細胞周期(p=0.0041)関連のパスウェイが有意に抽出されこれらはウイルス蛋白発現により誘導される遺伝子変化と考えられた.またNaive細胞とcured細胞間で変化したパスウェイではインスリンレセプターシグナル(p=0.002)や細胞周期(p=0.016)に加えコレステロール代謝(p = 77e一・05)に関連するパスウェイが有意に抽出されこれらはウイルス増殖を促進する宿主因子に関わるパスウェイでありその関連蛋白が新しい治療標的になる可能性が考えられた.【結論】HCV replicon細胞の遺伝子発現変化の機序とHCV増殖との関連を明らかにすることによりHCV感染の病態解析抗ウイルス治療の標的因子の同定へつながることが示唆された. |
| 索引用語 |
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