| セッション情報 |
パネルディスカッション1.
消化器領域におけるゲノム解析の現状と展望
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| タイトル |
PD1-09 肝疾患に認められる遺伝子メチル化の進行とHCVの関与
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| 演者 |
西田直生志(京都大学消化器内科) |
| 共同演者 |
福田善弘(京都大学保健学科), 千葉勉(京都大学消化器内科) |
| 抄録 |
【目的】種々の遺伝子メチル化は肝癌においても数多く報告されているがその大部分は定性的な解析である.一方メチル化の意義の解釈や遺伝子診断への応用には正常肝を含めた各種の肝疾患でのメチル化レベルを定量的に知ることが不可欠である本研究では各種肝組織の遺伝子プロモーターのメチル化を定量的に解析し肝炎ウイルスがその進行にどのように関わるかを検討した.【方法】計180例の肝組織(肝炎ウイルス陰性の組織学的正常肝:22例肝癌の非薗部肝組織; rv例肝癌組織;81例)を用い肝癌と非薫物肝での21座位でのメチル化定量値より転部でメチル化レベルが有意に高い19座位を抽出しそれらのメチル化レベルを正常肝非癌部肝組織肝癌部で比較しまた肝炎ウイルスマーカーとの関連を検討した.メチル化の定量に用いたCpG部位は既報あるいは肝癌細胞株を用いたスクリーニングによりその部位でのメチル化レベルが遺伝予発現と相関することを確認した.抱囲】正常肝と非癌部肝のメチル化プロファイルにより前述の19座位は3つのグループ(Group-1・・2一3)に大別できる.正常肝ではGroup-1(7座位)のメチル化が認められるがGroup-2(5座位)Group-3(7座位)のメチル化レベルは極めて低い(p<O.OOOI).また正常肝組織におけるGroup-1のメチル化レベルは年齢と相関する(r=0.65-0.44).非民部肝組織ではGroup-12のメチル化が認められ特にHCV陽性非運部では正常肝と比較しメチル化レベルが有意に高い.一方肝癌部ではすべての座位:において高レベルのメチル化が認められるがHCV陽性肝癌ではHBV陽性例ウイルス陰性例と比較しGroup-3座位でのメチル化レベルが有意に高かった(p<O.OOOI).【結論】正常肝においても一部のプロモーターでは加齢に従ってメチル化が出現しさらに非癌部肝組織肝癌と進行するに従って段階的にメチル化が進行する.またHCV感染はこのプロセスを加速させると考えられた. |
| 索引用語 |
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