セッション情報 |
パネルディスカッション2.
高齢者における消化器疾患の治療
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タイトル |
PD2-02 高齢者に対するESDの有用性と合併症予後の検討
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演者 |
大仁田賢(長崎大学第二内科) |
共同演者 |
西山仁(長崎大学第二内科), 宿輪三郎(長崎大学第二内科) |
抄録 |
【目的】早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は外科治療に比べ低侵襲な治療として普及してきているが高齢者においての治療適応基準は確立されたものはない.今回高齢者におけるESD施行症例の合併症予後を非高齢者と比較検討した.【方法】対象は2001年1月から2007年8月までESDを施行した胃上皮性腫瘍777例(早期胃癌645例腺腫132例).75歳以上を高齢者(76-92歳年齢中央値79歳)75歳未満を非高齢者(33-74歳年齢中央値68歳)とし以下の項目を検討した.1.一括切除率2.合併症3.予後.【成績】症例の概要は高齢者295例(術前適応内病変135例適応拡大病変101例適応外病変14例腺腫45例)非高齢者482例(適応内病変209例適応拡大病変154例適応外病変18例腺腫101例)であった一括切除率:高齢者;92.2%(272/295)非高齢者;934%(450/482)と差はなかった.合併症:高齢者;穿孔14例(4。7%)縦隔気腫1例(03%)後出血8例(27%)肺炎6例(2.0%)敗血症1例(O.3%)非高齢者;穿孔15例(3.1%)縦隔気腫1例(O2%)後出血13例(2.7%)であった.高齢になると肺炎が多くなっていたがその他は大差なかった.また肺炎も最近2年は1例のみであった.合併症による死亡はなかった.予後:ESD後の経過観察中胃癌での死亡は1例もなく他病死を22例に認めたその内訳は高齢者15例(他臓器癌6例肺炎4例脳梗塞2例急性心不全1例急性腎不全1例不明1例)、非高齢者7例(他臓器癌4例脳梗塞1例急性心不全1例肺気腫1例)であり高齢者においては老年性疾患が多かった.【結論】高齢者においては合併症として肺炎が多くなっていたが最近は治療時間の短縮治療中の頻回の口腔内吸引により頻度は減少していた生命予後については胃癌での死亡や合併症に伴う死亡はなく治療時には予測できない疾患での死亡が多かった治療成績も差はなく全身状態がよければESDを施行してもいいものと考えられた. |
索引用語 |
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