セッション情報 パネルディスカッション2.

高齢者における消化器疾患の治療

タイトル

PD2-04 高齢者早期胃癌に対するESDの有用性と安全性

演者 中川昌浩(広島市立広島市民病院内科)
共同演者 大江啓常(広島市立広島市民病院内科), 水野元夫(広島市立広島市民病院内科)
抄録 1目的】早期胃癌に対する内視鏡治療は大きな腫瘍径やUL(+)などの従来の治療手技における制約がESDにより解消されつつありGotoda論文を根拠にしてのガイドライン病変からの適応拡大が積極的に試みられている.当科では年齢に関係なくESDを積極的に施行しており高齢者の早期胃癌に対するESDの有用性t安全性などについて検討した.【方法12001年6月~2007年9月の期間に当科でESDを施行した早期胃癌375症例439病変のうち80歳以上の高齢者(高齢群)は73症例94病変(214%)t80歳未満の非高齢者(非高齢群)は302症例345病変(7&6%)であった.両群における術前適応偶発症治療成績追加治療予後などに関し比較検討した.【結果】術前適応:ガイドライン病変/適応拡大病変/適応外病変高齢群:50(532%)/42(44.7%)/2(2.1%)非高齢群:203(5&8%)/139(403%)/3(0.9%).偶発症:後出血/穿孔/肺炎高齢群:6.4%/2.1%/0%非高齢群:4.3%/IA%/0.6%.両群ともにガイドライン病変t適応拡大病変での差はなかったが高齢群の後出血1例に対し手術を施行した.治療成績:一括完全切除率/治癒切除率高齢群:94.6%/81.5%非高齢群:95、9%/84.8%.追加治療対象となる非治癒切除病変は高齢群:17例非高齢群:52例であったが基礎疾患PS手術拒否などにより追加治療を行わず経過観察しているのは高齢群:7例(41.2%)非高齢群:14例(26.9%)であり非高齢群において手術拒否が多い傾向がみられた.予後平均観察期間は23.9日差1~76M)であり再発はLM(+〉であったが基礎疾患のために経過観察した非高齢群の1例に局所再発を認めたのみであり原病死はなく他病死が高齢群:5例(6.8%)非高齢群:10例(3.3%)に認められた.以上のいずれの検討においても高齢群非高齢群に蝋型差はなかった.【結論】当科では早期胃癌に対するESDは高齢者非高齢者ともに同様の適応基準で施行され良好な治療結果が得られており高齢者にとっても早期胃癌に対するESDは非高齢者と同等に有用で安全な治療法と考えられた.
索引用語