セッション情報 |
パネルディスカッション2.
高齢者における消化器疾患の治療
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タイトル |
PD2-08 高齢者食道癌に対する外科的切除成績の変遷と妥当性
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演者 |
森田勝(九州大学消化器・総合外科) |
共同演者 |
掛地吉弘(九州大学消化器・総合外科), 前原喜彦(九州大学消化器・総合外科) |
抄録 |
食道癌に対する外科治療は侵襲が大きいため高齢者では行われないことも多い今回食道切除の合併症予後を年齢別に比較しさらに年代別の治療成績の推移を検討した。【対象方法11%4~2007年に切除した食道癌症例1030例を1群(高齢群:75歳以上)109例H群(対照群:75歳未満)921例に分け術後合併症予後の検:討を行った合併症発生に関わる因子はLogistic回帰分析にて解析した.さらに治療成績の変遷を前期C64~’80年)197例中期(’81~’93年)432例後期(’94~’07年)401例にわけ検:聾した.1群の内訳は前期6例(3%)中期57例(13%)後期46例(11%)であった.【結果】1.術後合併症:1H群の合併症の頻度は39%41%と差は認めなかったしかし肺合併症のリスクに関しては多変量解析にて高齢者では1.76倍(P<0.05)と増加しており手術時期と共に有意な因子であった.一方時代別に1群の肺合併症の発生頻度をみると前期50%中期25%後期11%と減少していた.1群における術死は前期6.2%中期5.2%に発生したが後期46例には認めなかった.2.予後;1∬群における全生存率は各2年=47%46%5年20%32%で(P=0.15)原病生存率は各2年:59%51%5年34%38%と有意差はなかった.1群における前・中・後期の全生存率は各々2年:1744%59%5年1712%45%と中期に対し後期は有意に予後の改善が認められた(P<0.05).【考察】高齢群は対照群に対し肺合併症のリスクは高いが後期では減少し術死も経験しなかった.さらに両群問に原病生存率に差を認めずとくに後期では高齢者における有意な予後の改善を認めた.したがって高齢者の食道切除においても合併症予後の面で若年者に劣らない成績が期待できる. |
索引用語 |
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