セッション情報 パネルディスカッション2.

高齢者における消化器疾患の治療

タイトル

PD2-10 高齢者C型肝炎に対するPeg-IFN/Ribavirin併用療法

演者 平松直樹(大阪大学消化器内科学)
共同演者 竹原徹郎(大阪大学消化器内科学), 林紀夫(大阪大学消化器内科学)
抄録 高齢化社会が進むにつれて高齢者C型肝炎に対する抗ウイルス療法の是非が問題となっている.線維化進展例が多い高齢者では発癌や肝疾患関連死のリスクが高いがIFN療法によってウイルス排除ができれば予後は著明に改善する一方著効率はPeg-IFNやRibavirin併用によって大幅に改善されたが高齢者では抗ウイルス効果が低くまた副作用の問題もあり治療適応の判断が難しい.今回高齢者C型肝炎に対するPeg-IFN/RibaVirin併用療法の有用性について検討した【方法】OLF(Osaka Liver Forum)参加施設においてPeg-IFN/Ribavirin併用療法を開始したC型慢性肝炎2465例のうち標準投与量にて治療開始後48週以上経過したGenotypel型高ウイルス量の886例(年eS 56.2±10.0才M/F:498/388)を対象とした65才以上の高齢者は200例(平均67.7才)60-64才は172例であった、【結果】治療完遂した全症例における治療開始12週のHCV RNA陰性化(EVR)率ならびに治療終了後24週のHCV RNA陰性化(SVR)率はいずれも49%であったb年齢による層別解析ではEVR率は60才未満53%60-64才53%65才以上34%でありSVR率は各々53%48%37%と65才以上の高齢者で低率であった.また65才以上の高齢者でのウイルス陰性化例の約4割がLate responder(13~24週でのウイルス陰性化例)でありこうした症例に著効を得るためにはより長期の治療が必要であると考えられた.一方全症例での中止率は16%であったが年齢別では60才未満ll%60-64才19%、65才以上27%と高齢者で高率であったまた高齢者の中止例の約40%が貧血によるものであったことから高齢者における治療完遂には症例によって早期のRibavitin減量(tWo by tWo rUle:2週でHb2g/d1低下の時200mg減量:)による貧血進行予防が必要であると考えられた.【結論1高齢者C型肝炎に対するPeg-IFN/Ribavi血併用療法には治療前の因子から決定される画一治療ではなく個々の症例における治療反応性からみたStep by Step Therapyが重要である
索引用語