セッション情報 |
パネルディスカッション2.
高齢者における消化器疾患の治療
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タイトル |
PD2-15 高齢者における肝細胞癌患者の治療の特徴
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演者 |
小暮高之(東北大学病院消化器内科) |
共同演者 |
岩崎隆雄(東北大学病院消化器内科), 上野義之(東北大学病院消化器内科) |
抄録 |
【目的】高齢者の特徴として若年者と比較して平均余命が短いことパフォーマンスステイタス(PS)が低いこと複数疾患を合併が多いことなどが挙げられる通常の治療ストラテジーに沿って治療法を決定することが必ずしも最良ではないとの判断でより低浸襲な治療法が選択されることもまれではない.今回当科において治療方針の決定がなされた肝細胞癌患者において高齢者の特徴と問題点を明らかにすることを目的とした.【対象と方法】2006年3月から2007年9月の間に当科を受診し治療方針の決定がなされた肝細胞癌患者計147人を対象としたこのうち75歳以上を高齢者75歳未満を若年者と定義し疾患背景と治療法の選択における差異の有無につき検討した.【結果】147人のうち高齢者は34人(75-84歳中央値76歳)若年者は113人(43-75歳中央値67歳)であった男女比肝予備能や血小板値および腫揚径・腫瘍個数などの腫瘍因子に差は認めなかった且BV関連肝癌の割合が高齢者に比較して若年者が高率であった.入院期間の中央値は若年者で17日高齢者で23日であり高齢者に長い傾向を認めた.治療法の選択においては通常肝癌診療ガイドライン(科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン作成に関する研究班2005年)に基づいて決定されるが何らかの理由(本人・家族の希望PS不良、他疾患の合併など)でより低浸襲な治療法を選択された症例は若年者で8例(7.1%)高齢者で6例(17.4%)であった低説服治療の内訳としては手術の代替として放射線治療肝動脈塞栓術+放射線治療肝動脈塞栓術ラジオ波焼灼療法などであった.【まとめ】高齢者においては若年者と比較してHBV関連肝癌の割合が低かった以外には肝予備能や腫瘍因子大きな差異を認めなかった.治療方針の決定において何らかの理由でより低浸襲な治療法を選択される傾向にあった.これらの評価はQOLを含めた長期予後によりなされるべきであり更なる検討が必要である. |
索引用語 |
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