セッション情報 パネルディスカッション2.

高齢者における消化器疾患の治療

タイトル

PD2-16 高齢者に対する高侵襲手術(肝切除術)の与える臨床的影響

演者 北順二(獨協医科大学第2外科)
共同演者 窪田敬一(獨協医科大学第2外科), 澤田登起彦(獨協医科大学第2外科)
抄録 (目的)高齢者人口の増加に伴い今後も消化器系疾患による外科切除症例も増加することが予想される.高齢者に対する高侵襲な手術が術後経過に影響を与えるかを検討した.(対象と方法)当科では2000年4月から2006年12月までに単発の肝細胞癌に対して肝切除を207症例および肝門部胆管に対する葉切除+胆管切除を28症例に施行した.手術施行時の年齢を非高齢者群(70歳未満)と高齢者群(70歳以上)に分けそれぞれの成績を比較検討した.(結果)肝細胞癌症例においては年齢(6173歳:P〈α01)区域切除を行った割合(30.833.8%:P=O.77)ICGR15(1418%:P=0.19)手術時間(331291分:P;0.19)出血量(509386ml:P=O、48)AFP(4022ng/ml:P=0.20)PIVK:A¶(3866mAU/ml:P冨0.82)術前血小板値(1213.9×104/pl:P=044)腫瘍径(2.83cm:P=O.97)術後合併症発生率(26.2%{ドレーン感染18例胆汁漏7例難治性胸腹水7例その他2例}247%1ドレーン感染9例難治性胸腹水4例肺炎3例その他3例}:P = 094)術後在院期間(2423日=P=0.83)5年生存率(6&272.7%:P=O.98)5年無再発生存率(26.123.0%:P=α84)であり手術の成績に有意差は認められなかった.また肝尾部胆管癌に対する手術は術後合併症発生率(25%{ドレーン感染1例難治性胸腹水1例縫合不全1例}58.3%{ドレーン感染1例難治性胸腹水3例その他3例}:P=021)が高齢者に多く見られこれによって術後在院期間(30.566日:P〈0.03)に有意差を認めたが全例が保存的加療にて軽快したまたその他の手術成績や4年生存率(51342.4%:P;0.93)4年無再発生存率(34.626.3%:P=0.52>に有意差は認められなかった.(結語)周終期管理を緻密に行えば高齢者に対する高侵襲手術でも非高齢者と同等の予後が期待できる.
索引用語