抄録 |
疾患ごとの特殊性があるため診療ガイドラインにおいてエビデンスの質と推奨のグレ・一ド分類が異なっているのは当然ともいえる.US Preve而ve ServicesTask Force(USPSTF)は現在エビデンスの質を3段階に分類し推奨は5種類に分類している.A:行うことを推奨する.正味のベネフィットが大きいことが確実;B:行うことを推奨する.正味のベネフィットが中等度であることが確実であるか正味のベネフィットが中等度から大きいことが中等度の確実性で言える;C:ルチンに行わないことを推奨する個々の患者で行ってもいい場合がある.:D:行わないことを推奨する:1:現在までのエビデンスは不十分である1は声明として取り扱っており推奨ではない.多くの診療ガイドラインが従来のUSPSTFの方法を踏襲しているがわが国ではMindsがUSPSTFの推奨分類のCをC1:行ってもよいものとC2:行わないほうがよいものに分けた形でさらにきめの細かい分類の使用を勧めている2004年にGRADE(Grades of Recom・mendation Assessmellt. Developmentand Evaiuation)working groupが標準化を進めるために新しい取り組みを発表した.推奨の強さは強い弱いの2段階に単純化され行うことの推奨も行わないことの推奨も2段階で強さを分類する.もう一つの特徴はエビデンスの強さは研究のデザインと質アウトカムとその改善測定法の直接性研究間の一致性により3または4段階ベネフィット/害・負担のバラスは3段階に分類しtこれら2つの要素の組み合わせで推奨の強さを決めることを明示的に示していることである.現在も開発中であるがACPACCPなどが既に一部改変したGRADEシステムの採用を公式に発表しており肺癌の診療ガイドラインなどに反映されている.また費用の問題は医療の経済資源の配分という視点でとらえ主要な推奨のみの検討が勧められている今後日本消化器病学会としての取り組みを検討する必要があると思われる. |