セッション情報 パネルディスカッション3.

消化器疾患診療ガイドラインの現状と問題点(指定)

タイトル

PD3-02指定 GERD診療ガイドラインの作成と問題点

演者 木下芳一(島根大学第二内科)
共同演者 本郷道夫(東北大学総合診療部), 藤本一眞(佐賀大学内科学)
抄録 日本消化器病学会では主要な消化器疾患の診療ガイドラインの作成を進めておりGERDもその中の1つに選ばれ現在作成作業が進められています.まずCQ(clinica1 questions)の作成から始まり疫学病態診断内科治療外科治療食道外症状術後食道炎にわたって合計61件のCQが作られました.評価委員会での評価修正を受けた後にこれらのCQを元に文献検索が行われました.作成委員は各担当CQについて時には100偏以上の文献の抄録を全て読みその中から全体を読むべき文献を選択しました.その後これらの文献の構造化抄録を作成しエビデンスレベルがどの程度のものであるかを判定しています.次いでCQと文献情報を元にステートメント案と推奨度分類を行ない現在はステートメント案の調整作業を行っております.この作成過程でいくつかの間題があることも明らかとなってきています.まずCQの中でエビデンスレベルが高い文献情報がないものが少なくないことが明らかとなってきました日本においてはほとんどのCQにおいてエビデンスレベル皿を越えるような論文は作られておらずほとんどのデータが欧米諸国の研究データに基づくものとなってしまうことも大きな問題です.さらに文献検索式を作成して検索をした中には含まれないがそれぞれの委員が別の方法で見つけ出した検索式外の文献情報をどの程度まで使用してよいかという点も問題となりました.GERD診療ガイドラインの作成委員会ではこれらの問題をほぼ解決しステートメントの解説文の作成を始めようとしています.ところが最近急速に情報が増えつつあるのですがまだ研究者の間でもコンセンサスが得られにくく米国日本ヨーロッパの間で研究者の意見がかなり異なるパレット食道をどの程度ガイドラインの中に入れるかなど解決すべき問題もいくつか残しています.
索引用語