セッション情報 |
パネルディスカッション4.
消化器疾患とnutrition
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タイトル |
PD4-01 広島大学病院におけるNST活動の現況と課題
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演者 |
上野義隆(広島大学病院光学医療診療部) |
共同演者 |
田妻進(広島大学病態薬物治療学), 茶山一彰(広島大学分子病態制御内科学) |
抄録 |
【目的】大学病院には一般病院と異なり慢性難治性疾患患者が多くNST活動については必然的に大学病院独自のサポートシステムの確立が必要と考えられる.広島大学病院では2005年からNSTを立ち上げ医師栄養士看護師薬剤師検査技師を中心に全入院患者を対象に栄養管理を行ってきた.その現状および課題につき報告する.【方法lNST対象患者は2005年9月から2007年9月までの入院患者のうち3.091dl以下の低アルブミン(Alb)血症かつ食事摂取3割以下の患者でNSTメンバーまたは主治医からの依頼があったもののうち主治医の承諾を得た後介入を行った63例(男性39例平均年齢56歳)である.各症例の介入に至った経緯およびNSTからの指示内容につき疾博学に検討した.また介入前後の栄養状態の変化につき検討した.【結果】NST介入時の栄養評価では良好7名(11.1%)。中等度不良31名(492%)高度不良25名(39.7%)であった.検討症例の平均Alb値は27g/d1平均BMIは19.9また平均介入期間は26.6日であった.介入の経緯はほとんどが各病棟NST担当ナースまたはNSTメンバーからの提案であり主治医からの依頼は10例であった.検討症例のうち消化器疾患領域は37例(5&7%)でありその疾患の種類は消化管疾患32例肝胆道系疾患5例うち炎症性腸疾患12例悪性腫瘍12例であった.指示内容は食事摂取時期の指示3例経腸栄養剤の選択30例投薬および治療内容の変更追加8例であった.転帰は軽快9例退院13例転院5例主治医判断9例死亡1例であったまた消化器疾患以外の症例でも消化器症状に対する指示を26例中19例(73.1%)に行ったNST介入患者のAlb値は介入前に比し有意に増加した.栄養改善に伴うTPN離脱率は42.1%(8/19)であった【結論】大学病院においてNST介入は疾患の領域を超えた立場で議論でき包括的診療の促進に貢献すると考えられたしかし担当医師へのNSTの重要性に対する認識は依然として低く啓蒙が必要と思われた. |
索引用語 |
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