セッション情報 パネルディスカッション4.

消化器疾患とnutrition

タイトル

PD4-06追加 肝硬変症に対する経口アルギニン療法

演者 白石衣里(兵庫県立西宮病院内科)
共同演者 乾由明(兵庫県立西宮病院内科), 西川正博(兵庫県立西宮病院内科)
抄録 【はじめに】肝硬変症が進行し末期状態となると高アンモニア血症による肝性脳症を呈することがある.高アンモニア血症による肝性脳症対策としてアルギニン・グルタメV一一トの点滴は有効であるが点滴を中止したり回数を減じると再び肝性脳症に陥り長期にわたる入院を余儀なくされる.一方成人型シトルリン血症や遅発高師ルニチントランスカルバミラーゼ欠損症などの先天性尿素サイクル異常症においてはアルギニン内服療法が有効である.今回従来のラクツロースやアルギニン・グルタメートの点滴では高アンモニア血症が改善されず長期入院を余儀なくされていた症例に対して患者の了解を得てアルギニン内服療法を行い良好な結果が得られ外来通院に切り替えることができたので報告する.【対象と方法】高アンモニア血症による肝性脳症のため1ヶ月以上にわたる入院を余儀なくされていた非代償性肝硬変症6例(B型肝炎1例C型肝炎3例非B非C型肝炎1例Budd-Chiari症候群1例)に対して1日あたり0.3g/kg体重のアルギニン(アルギU穎粒味の素ファルマ)内服を行った.本人・家族から十分なインフォームドコンセントを得たのち内服療法を開始した.【成績1アルギニン1週間内服後血中アンモニア値は平均128pg/dlから85pg/dlに低下し肝性脳症は改善した.血中アルギニン濃度は122から227に上昇し尿中ureaNの産生は増加(尿中UN/CRNは6.8から105に増加)したことから尿素サイクルを介するメカニズムでアンモニアが低下したことが推測された.これによりアルギニン・グルタメートの点滴の必要性が低下した..また下痢などの重篤な副作用は認めなかった【結謝長期入院を余儀なくされていた高アンモニア血症を呈する肝硬変患者に歯固アルギニン内服療法は有効である経口投与に移行することでQOL向上に役立つと考えられた.
索引用語