セッション情報 パネルディスカッション4.

消化器疾患とnutrition

タイトル

PD4-09追加 Best supportive careにおけるNSTの意義(NSTの介入によってStageIV消化器癌患者の予後を改善できるか?)

演者 池澤和人(筑波記念病院消化器内科)
共同演者 牧野維斗映(筑波記念病院消化器内科), 兵頭一之介(筑波大学臨床医学系消化器内科)
抄録 【背景】進行度Stage工Vと診断されperformance status(PS)が不良な場合多くの消化器癌患者はBest supportive care(BSC)を選択することになるがt当然その予後は極めて不良である.末期担癌患者は栄養不良状態から感染症などを惹起して死に至るケースが多い.近年Nutrition Support Team(NST)の導入による様々な利点が報告されており消化器癌における予後改善への貢献も期待されている.当院でも2007年1月から本格的にNST活動を開始した【目的】BSCを選択した消化器癌患者へのNutrition Support Team(NST)の介入は予後の改善に貢献するかを検討した.【対象】2006年4月以降に当院にてStagelVと診断し(1)PS不良(2)癌治療拒否(3)抗癌剤治療が副作用のため申断などの理由からBSCを選択し最終的に死亡退院となった消化器癌患者(肝硬変併発の肝癌は除外)のうちt診断から死亡に至る全経過(survival time)が3ヶ月(90日)以上の14例を対象として解析した【結果】14例の平均年齢は73.9歳(男性8例女性6例)で当院における本格的NST開始前の症例は8例開始後は6例である.原発巣の内訳は胃癌5例膵癌4例t大腸癌3例胆道癌1例食道癌1例であった.全例のMedian surviva1 time(MST)は153±55日で全経過(および血清アルブミン値3g/dL未満から死亡までの期間)はそれぞれNST開始前:142±61日(87±44日)t開始後:167±47日(88±31日)で群問に有意差を認めなかったがMSTでは約25日の改善が得られた.【考察】いまだ症例数が少なくNST活動に関する有益な結果は得られなかった.しかし現状では消化器癌患者では血清アルブミン値が3創dL未満となると原発部位は異なっても丁概ね予後は約3ヶ月以内であり可能な限りアルブミン値3g/dLを保持することが予後改善へ繋がる可能性があることが示唆された.今後もNST活動を継続し予後の改善へ貢献するかどうかについて検討を重ねて行く。
索引用語