| セッション情報 |
パネルディスカッション5.
粘膜再生からみた炎症性腸疾患
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| タイトル |
PD5-03 IL-10KOマウスにおけるWnt関連遺伝子の発現について
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| 演者 |
馬場重樹(滋賀医科大学消化器内科) |
| 共同演者 |
安藤朗(滋賀医科大学消化器内科), 藤山佳秀(滋賀医科大学消化器内科) |
| 抄録 |
【目的】腸管上皮には陰窩基底部に幹細胞が存在し分化・増殖をすることにより恒常性を保っている.Wnt signallingの腸管上皮における詳細は不明である.今回我々は腸管におけるWnt関連遺伝子の発現について検討した.また大腸筋線維芽細胞は炎症局所の組織修復機転において重要な役割を果たしていると考えられているIL-10KOマウスを用い炎症局所における骨髄幹細胞から分化した筋線維芽細胞を明らかにすると共にWnt関連遺伝子の発現について検討を加えた.【方法】(1)3週齢のC57BL/10マウスを用いその腸管におけるWntとその受容体であるFzdのmRNA発現についてRT-PCR法にて検討した.(2)腸管より単離・培養した筋線維芽細胞とEDTAを用い分離した腸管上皮におけるWnt関連遺伝子のmRNA発現について検討を加えたまた発現の局在についてはlaser capture rni-crodissectionを用い検討を加えた.(3)5週齢のC57BL/10マウスと皿rlOKO ’?ウスをドナー(雄)とレシピエント(雌)を用い骨髄移植を施行し計4群に対して検討した.骨髄由来の筋線維芽細胞はαSMAの免疫染色とY染色体のin situ hy-bridisationの二重染色にて同定した.【結果1(1)マウス腸管においてWnt 2345a5b mRNAの発現を認めた.(2)筋線維芽細胞はWnt 245a5bの発現を認めた一方Wnt 3は腸管上皮にてその発現を認めた. Laser capture microdissectionにて特にWnt 23は陰窩に強くWnt 4は管腔側に強く発現していた.(3)IL-10KOマウスの骨髄移植モデルにおいて皿.一10 into IL-10群は経時的に腸管の強い炎症を認め最大で約45%の筋線維芽細胞が骨髄由来であることが明らかとなった.炎症腸管におけるWnt 2345bの発現は減弱を認めた.【結論】炎症部において骨髄由来の筋線維芽細胞を高頻度に認めることより炎症部における筋線維芽細胞は一般的に骨髄より動員され局所の炎症や組織修復などに重要な役割を果たしていると考えられた.今後Wnt関連遺伝子の解析を引き続き行う必要がある. |
| 索引用語 |
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