| セッション情報 |
パネルディスカッション5.
粘膜再生からみた炎症性腸疾患
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| タイトル |
PD5-08 プロテオーム解析から同定した血中Human Neutrophil Peptide(HNP)1-3の消化管粘膜に及ぼす影響
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| 演者 |
上村修司(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学) |
| 共同演者 |
宇都浩文(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 坪内博仁(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学) |
| 抄録 |
【背景・目的】潰瘍性大腸炎(UC)の発症や病態進展には腸内細菌に対する抗菌ペプチドなどの宿主免疫機構が深く関わっていると考えられるがその病態は十分解明されていない.プロテオーム解析は疾患の病態解明や診断マーカーに有用な蛋白質を同定できる可能性があり我々はUC患者血液中に発現が充血している蛋白の一つが好中球ペプチド(HNP 1-3)であることを見出したHNP1-3は肺胞上皮細胞の再生創傷治癒作用が報告されているがUCとの関連性の報告はほとんどない.本研究ではUCにおけるHNP1-3の臨床的意義や大腸癌細胞に及ぼす影響を明かにすることを目的とした.【方法と結果】1SELDIプロテインチップシステムを用いてUC 11例と健常人7例の血清蛋白質発現を比較した、低分子領域に有意差(PSI O.05)のある蛋白質を27ピーク認めた.そのうち健常人と比較しUC群で高値であった約3400m/zの3個のピークを分子量からHNP1-3と同定した.2.UC 20例Croh且病(CD)18例早期大腸癌(CRC)5例と健常人13例の血液:中のH:NP1-3画面をELISAで測定した.平均HNP1-3濃度は4群(UCCDCRC健常人群)の比較ではUC群が最も高くUC群のHNPI-3濃度はCD群健常人群よりも有意に高値であった.またUC群における治療前のHNPI-3濃度は治療抵抗群より奏功群で有意に高値を示した.3.大腸癌細胞株のCaCO2にHNP1-3を添加したところ濃度依存的に細胞増殖は抑制されていた【結謝血液中HNP 1-3はUCの診断や治療効果予測に有用なバイオマ・・一・カーである可能性が示唆された.またHNP1-3は大腸癌細胞に対しては増殖抑制作用を示す可能性がある. |
| 索引用語 |
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