セッション情報 |
パネルディスカッション6.
小腸疾患の病態解明:基礎と臨床の接点
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タイトル |
PD6-02 健常人と非ステロイド消炎鎮痛剤(NSAIDs)による小腸粘膜障害の発生頻度と表現形に対する検討
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演者 |
藤森俊二(日本医科大学消化器内科) |
共同演者 |
辰口篤志(日本医科大学消化器内科), 坂本長逸(日本医科大学消化器内科) |
抄録 |
【目的】薬剤および胆汁酸の濃度腸内細菌叢は小腸の部位で異なりNSAIDによる粘膜障害は小腸部位で表現形が異なる可能性がある.NSAIDによる粘膜障害の小腸部位による発生頻度を調べるとともにその表現形を比較検討することが目的である.【方法】試験参加の同意が得られた45歳未満の健常人男性ボランティア76例が対象である.まず対象者にカプセル内視鏡(CE)を施行し健常状態での小腸粘膜障害を評価した.その後60名に対してNSAID(diclofenac sodium 75mg/day)を2週間投与し投与後に再びCEで粘膜障害を評価した.内16名はPG製剤(misopros・tol 600yg/day)を同時に服用し10名程度(二重盲検試験中で服用者不明)はre-bamipide 300mg/dayを服用した.全てのNSAm服用者にプロトンポンプ阻害剤(omeprazol 20mg/day)を同時投与した小腸粘膜障害:は明らかな絨毛欠損を伴う発赤(A)僅かな白苔を伴うアフタ(B)明らかな陥凹を伴うびらん(C)T潰瘍に近い病変(D)と4段階に分け病変部位はCEの通過時間で小腸を口側t中部肛門側に3分割して計算した本試験は当大学倫理委員会の承認を得ている.【結果】健常者2例NSAID服用後2例でCEは盲腸に達せず検討から除外した.またNSAID服用後1例で3SDを超える粘膜障害が生じ検討から除外した、健常者の粘膜障害は74例中10例(14%)に計27認められ口引4中部7肛門側16と肛門側に多くまた肛門側で病変CDの割合が多かった(56%)NSAID服用後57名中23品目如%)に粘膜障害を計150認め口側82中部35肛門側32でロ側にやや多かったが君側の病変は他部位と比較して病変Aが57(70コ口と軽度:の病変が多かった.PG製剤を同時に服用し検討可能な15例では小腸粘膜障害は2例(13%)でのみ認められ罫引に少なかった(p=O.OO1).【結論1健常者の小腸粘膜障害は14%に認められ肛門側に多かったNSAID服用後の粘膜障害は小腸のいずれの部位にも比較的均等に生じていた.PG製剤はNSAIDによる小腸粘膜障害を有意に減少させた. |
索引用語 |
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