| セッション情報 |
パネルディスカッション6.
小腸疾患の病態解明:基礎と臨床の接点
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| タイトル |
PD6-05 肝細胞癌患者における小腸病変の検討
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| 演者 |
山田篤生(東京大学消化器内科) |
| 共同演者 |
小尾俊太郎(杏雲堂病院肝臓科), 小俣政男(東京大学消化器内科) |
| 抄録 |
【背景】肝細胞癌患者においては消化管出血のため重篤な転帰をとる症例が存在しそのなかには上部及び下部消化管内視鏡検査にて出血源を認めない例も経験する.侵襲的検査の制約もあり肝癌患者における小腸病変に関する情報は少ない.【目的】カプセル内視鏡(CE)を用いて肝細胞癌患者における小腸病変の種類頻度について検討を行い臨床病態と比較する.【方法】肝細胞癌の治療目的に入院した患者に対して上・下部内視鏡とともにPi皿Cam SB(Given lmaging LtdIsrael)を用いてカプセル内視鏡検査を行った.発見された小腸病変について貧血栄養状態肝機能肝細胞癌の進行度上・下部内視鏡所見などを比較検討した.【結果】2007年10月までに34例(平均年齢67歳男/女27例/7例)にCEを施行した.小腸有所牛馬は23/34例(67%)で血管異形成8例(24%)静脈瘤4例(12%)びらん5例(15%)発赤18週差53%)ポリープ4例(12%)粘膜下腫瘍1例(3%)を認めた.Hb値は12.3±1.6g/dlで所見の有無で差はなかったがMCV値が小腸所見なし(100[90-112]fi)と比較して血管異形成(95.5[81-107]且)びらん(96[83-102]fi)発赤(95[81-104]fi)で低い傾向がみられた.血管異形成は所見なしと比較して肝機能が低下した症例に多く(Child-Pugh A 4/23例(17%)B4/11例(36%))また通常内視鏡で食道胃静脈瘤や門脈圧充進性胃症門脈圧元進性大腸症を伴う症例が多かった.肝細胞癌の腫瘍数>3または最大径>3cmである進行した症例では小規模の病変の症例よりも小腸病変が多かった(15/19例(79%)vs.8/15例(53%)).【結語】肝細胞癌患者に対してカプセル内視鏡を施行し出血を来たし得る多様な小腸病変を認めた.血管異形成びらん発赤においては潜在外出血の可能性が示唆された。血管異形成は肝機能の低下した症例に多く認められた. |
| 索引用語 |
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