セッション情報 |
パネルディスカッション6.
小腸疾患の病態解明:基礎と臨床の接点
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タイトル |
PD6-15 単球recruitmentの制御をターゲットとしたマウス慢性小腸炎の治療
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演者 |
穂苅量太(防衛医大内科学) |
共同演者 |
松永久幸(防衛医大内科学), 三浦総一郎(防衛医大内科学) |
抄録 |
【目的】炎症性腸疾患の病態には白血球を主とした免疫担当細胞が深く関与し白血球の腸管粘膜への異所性集積が想定されている.この分野はリンパ球について深く研究されすでにリンパ球recrUitmentを標的とした抗接着分子抗体などの治療法が確立している一方炎症部粘膜への単球系細胞の異常な集積よりこれらの細胞群の役割も認識さ.れているが単球の小腸粘膜へのrecmitmentは詳細に検討されていない.また近年血小板が単球recrUitmentに関与すると報告されたことから抗血小板薬が単球recruitmentを制御する可能性も想定される.そこで今回炎症惹起した小腸粘膜における単球recrUitmentについて検討しさらに自然発症慢性小腸炎モデルを用いて単球のrecruitmentの制御が腸炎を加療できるか検討した.とくに単球一血小板相互反応につき焦点をあてた.【方法】単球は骨髄や脾臓から分離した.血小板は全血からACDを用いて遠心法で分離した.これらをex vivoで蛍光染色し頚静脈より投与し小腸の細静脈とのinter-actionを生体顕微鏡で観察した.一部のマウスには血球投与前にILPSを腹腔内投与し影響を観察した.抗PSGL-1抗体や抗P一セレクチン抗体に加えPDE-3阻害剤やPDE-4阻害剤を用いて単球一血小板相互作用を修飾した際の単球のrecruitmentを観察した.また抗血小板抗体を用いて血小板数を減少させた際の影響を検討した.次にSAMP1/Yitマウスについてこれらの単球一血小板相互作用を修飾する試薬を長期投与し慢性小腸炎に対する抗炎症効果を検討した.【成績】炎症の惹起された小腸粘膜で単球の接着増加が観察された、また血小板と単球の同時観察で両者のinteractionが観察された.このilteractionを阻害することにより単球の接着増加が抑制された.また単球の接着を抑制する試薬を慢性投与することにより慢性小腸炎が改善した。【結論】単球recrUitmentを制御することが小腸炎症性疾患の治療のターゲットになることが示唆された. |
索引用語 |
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