セッション情報 |
パネルディスカッション6.
小腸疾患の病態解明:基礎と臨床の接点
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タイトル |
PD6-18 小腸濾胞性リンパ腫におけるダブルバルーン小腸内視鏡検査の意義
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演者 |
八板弘樹(済生会熊本病院消化器病センター) |
共同演者 |
吉田健一(済生会熊本病院消化器病センター), 多田修治(済生会熊本病院消化器病センター) |
抄録 |
【背景】近年ダブルバルーン小腸内視鏡(以下DBE)の普及に伴い小腸濾胞性リンパ腫の報告例が増加している.しかしその臨床像や内視鏡所見を検討した報告は少なく治療法については一定の見解が得られていない【方法】過去5年間に診断された腸管濾胞性リンパ腫のうちDBEを施行した13例を対象とし内視鏡所見および臨床病理学的特徴について検討した.【結果】対象の内訳は男性8例女性5例で診断時の年齢は平均62歳(51~76歳)であった.組織所見はgrade 1が11例grade 2が2例であり全例免疫染色でCDIO陽性を確認した.臨床病期は1期9例III期1例II2期1例VI期2例であった.腸管の浸潤部位は十二指腸(11例85%)と空腸(10例77コ口で頻度が高く回腸(6例46%)と大腸(2例15%)では低頻度であった.内視鏡所見として白色調の微小穎粒状粘膜(13例100%)およびmultiple lymphoma-tous polyposis(MLP;11例85%)を高頻度に認めKerckring西翠の腫大・腫瘤形成を7例(54%)に腸管狭窄を2例(15%)に認めた.治療として1期の9例中8例にHelicobacter pylori除菌療法と同様の抗菌薬治療を行ったところ1例は部分寛解となり不変の7例中2例はシクロフォスファミド経口単剤化学療法の追加により部分寛解が得られた.残り5例は慎重に経過観察中である.II期以上の4例のうち高度の腸管狭窄を伴った1例には外科的切除およびリツキシマブ併用CHOP(R-CHOP)療法を行い完全寛解が得られた.他の3例はR-CHOP療法により部分寛解となるも後に2例でリンパ腫の増悪を認めた.【結謝腸管濾胞性リンパ腫の多くは十二指腸以外の小腸に多発病変を認めるため治療方針の決定にはDBEを用いた全小腸の観察が重要である |
索引用語 |
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