セッション情報 パネルディスカッション8.

肝癌再発進展阻止を目指して

タイトル

PD8-01 肝癌治療後のSVRを目指したインターフェロン療法

演者 福田和人(市立池田病院消化器科)
共同演者 今井康陽(市立池田病院消化器科), 林紀夫(大阪大学大学院消化器内科学)
抄録 【目的】わが国においてC型肝炎患者の高齢化が進みHCV陽性肝細胞癌患者も高齢化している.今回高齢C型肝炎患者におけるIFN治療の発癌抑制効果ついて検討するとともに肝癌治療後のRibavirin(Riba)併用療法を中心としたIFN治療効果について検討した【方法】1)1992年より1995年の間に6ヶ月間のIFN単独治療をうけた568例(IFN群)および未治療の157例(対照群)のC型肝炎患者を対象として60歳以上60歳未満で発癌抑制効果について検討した.平均観察期間は9.5年2)肝細胞癌根治療法後PegIFN/Riba(15例)IFN/Riba(3例)PeglFN単独治療(2例)をうけた20例を対象として治療効果を検討した1型高ウイルス量17例2型3例.年齢中央値66歳(50-7660歳以上12例).平均血小板10.7万.【成績】1)Cox比例ハザードモデルによる対照群に対するIFN群の発癌リスク比は60歳未満0.4960歳以上0.77であった. SVR/nonSVR別の対照群に対するは発癌のリスク比は60歳以上でそれぞれ0.23/1ρ760歳未満で0.20/0.65また60歳以上のSVR/relapse/NR別の発癌のリスク比は023/0.67/1.46であり60歳以上のIFN単独短期投与ではSVRが得られなければ発癌抑止効果は弱いと考えられた.またSVR群がら発癌例11例中3cm以下の単発切除例では7例で再発をみていない.2)上記の結果をふまえ肝癌根治後SVRを目指したIFN治療を行っている.1型高ウイルス量症例17例中PeglFN/Riba併用療法をうけた3例でSVRが得られ4例で12-16週にRNAの陰性化がえられ投与継続中である.4例で再燃4例がNRであった.2例が副作用で脱落した.2型3例ではPeglFN/RibaPeglFN単独療法で全例SVRとなった.肝癌の再発はNR4一中2例再燃4例中2例から見られたがSVR6例中2例からみられている【結語】IFN6ヶ月単独治療の発癌抑止効果の成績から高齢者の多い肝癌根治後のIFN治療においても合併症を考慮したうえでSVRを目指したIFN治療あるいは長期のIFN治療が肝癌再発抑止につながると考えられた
索引用語