セッション情報 パネルディスカッション8.

肝癌再発進展阻止を目指して

タイトル

PD8-02 肝癌根治療法後の抗ウイルス療法による再発抑制に関する検討

演者 小林正宏(虎の門病院肝臓センター)
共同演者 池田健次(虎の門病院肝臓センター), 熊田博光(虎の門病院肝臓センター)
抄録 【目的】肝細胞癌は多くの症例が背景肝病変を有しており根治治療後もしばしば多中心性発癌をはじめとする再発が問題となる.このため背景肝病変に対する治療により再発抑制・発癌抑制を行っていくことが長期生存のための必須条件となってくる今回はHCV・田3V肝癌根治療法後のIFNによる再発抑制効果について検討し・さらにHBV関連肝癌についてはLamivudineによる抑制効果についても検討した【対象】2005年までに当院で肝切除または局所療法による肝癌根治療法を行った初発肝癌339例(B型109例・C型230例)について検討した.B型肝癌のうち根治療法後11例にIFN29例にLamivudineが投与され他の69例は抗ウイルス療法未施行であった.同様にC型肝癌では40例にIFNが投与され190例が未施行であった【成績11.B型肝癌症例のうちIFN投与例は全例男性であった.またHBv DNAは抗ウイルス量理窟施行群で低い傾向が見られた根治療法後の再発率は抗ウイルス療法未施行群が3年51%5年63%であったのに対しIFN群では3年30%5年30%Lamivudine群は3年26%t 5年26%であり未施行群との間に田町な発癌率の低下を認めた(P=0.O13). Coxの比例ハザードモデルを用いた多変量解析においても抗ウイルス療法はハザード比0.37(95%CI:0.18-0.74)P=O.OO6で再発抑制効果が認められた.2C型肝癌ではIFN施行群で年齢が低くアルブミン値が高い背景であったIFN未治療群の再発率が3年68%・5年81%と高率であったのに対しIFN施行群では3年42%5年68%と単変量解析ではIFN治療群で有意に再発率が低い結果であった(P=O.027).多変量:解析においては統計学的に有意差には至らなかったがIFN投与により再発が抑制される傾向が認められた(ハザード比0.59P = O.056).【結語】HBV・HCV関連肝癌ともに根治療法後の抗ウイルス療法により再発抑制効果が認められた.また再発抑制のためには抗ウイルス療法をより早期に開始し長期継続することが有用と考えられた.
索引用語