セッション情報 |
パネルディスカッション8.
肝癌再発進展阻止を目指して
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タイトル |
PD8-03 C型肝炎関連肝細胞癌の再発抑制におけるインターフェロン治療と術式選択
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演者 |
上西崇弘(大阪市立大学肝胆膵外科) |
共同演者 |
康典利(兵庫医科大学肝胆膵科), 久保正二(大阪市立大学肝胆膵外科) |
抄録 |
【目的】C型肝炎(HCV)関連肝細胞癌(肝癌)の治療成績向上には転移再発とともに多中心性再発の抑制が必要である【方法】1990年から2007年8月末までに切除されたHCV関連肝癌のうちJIS scoreが0から2であった364例を対象とした.IFN治療は77例に施行されており血清中HCV-RNAが陰性化した(SVR)36例と血清中HCV-RNAは陰性化しなかったがAST/ALTが正常化した12例をあわせた48例をIFN治療有効群としIFN治療の効果のなかった28例を無効群としてIFN治療効果および選択術式別の無再発生存率を比較検討した.またラジオ波熱凝固療法(RFA)が施行されたSVR10例の治療成績も検討した.【成績】IFN有効群の無再発3および5年生存率は64%51%であり無効群の49%26%および非治療群の40%22%と比較して有意に高率であった(p ・・ O.0002).またIFN治療有効群では系統的切除(切除断端陰性かつ亜区域切除以上)が施行された12例の無再発3および5生率はともに89%であり縮小切除が施行された36例の58%および40%より有意に高率であった(p=0.0417).さらにSVR36例のうち系統的切除を施行した10例すべてが無罪尭生存中でありうち7例は術後3年以上が経過していた.一方IFN治療無効群の系統的切除施行例および縮小切除例の無再発5生率は33%22%IFN非治療群では23%21%であり選択術式で無再発生存率に差はみられなかった.またRFAが施行されたSVR10例のうち4例が3年以内に治療区域内に再発がみられた.【結論】IFN治療による多中心性再発の抑制と系統的切除による転移再発の抑制によりHCV関連肝癌の治療成績が向上できるものと考えられた. |
索引用語 |
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