セッション情報 パネルディスカッション8.

肝癌再発進展阻止を目指して

タイトル

PD8-06 肝異時性多発再発のリスクファクター解析と肝内転移再発に対する治療戦略

演者 金村普史(徳島大学外科学)
共同演者 島田光生(徳島大学外科学), 居村暁(徳島大学外科学)
抄録 【目的1肝癌術後の肝異時性多発再発における臨床病理学的危険因子の解析と術後FN併用全身化学療法の有用性につき検討する.【対象・方法】2000年1月~2006月12月に肝切除を施行した119例(術後無再発:47例単発再発:33例多発再発:39例).(1)多発再発の危険因子の解析(2)多発再発に対するIFN化学療法の有用性の検討:Vp2以上の肝癌症例25例を術後IFN+FP投与群(IFP群T n=10)非投与群(Control群n=15)に分け検討した(IFNα500万単位:週3回皮下注5FU 500mg+CDDP 5mg:静注投与5投2休×4週間).(3)マウス肝癌細胞株皮下投与モデルを用いてPEG-IFN投与による癌細胞の発育抑制効果について検討した.(4)ラット70%および90%肝切除モデルを用いてPEG-IFNの肝再生に関する影響を検討した【結果](1)肉眼的門脈侵襲陽性(Vp2以上)とPIVKA-H高値(1000以上)が多発再発の有意な危険因子であった.(2)生存率においてIFP群はControl群と比較し1年100%vs 40%3年63.5%vs 26.7%5年63.5%vs 20.0%と有意に良好であった(P=0.01).無再発生存率では差を認めなかった.初回再発形式ではmp群は7例の再発のうち残肝単発再発が3例あり局所治療が可能であった.Con-trol群では再発11例中10例が遠隔転移や多発残肝再発であった.(3)マウス肝癌モデルではPEG-IFN投与群で腫瘍の発育が抑制され腫瘍確認までの期間が延長する傾向が見られた.(4)ラット肝切除モデルではPEG-IFNによる再生抑制効果は認められなかった.【まとめ】肉眼的門脈侵襲陽性(Vp2以上)およびPIVKA-II高値が肝異時性多発再発の危険因子であったVp2以上の門脈侵襲を有する肝癌術後のIFP療法は肝勘気性多発再発や遠隔転移を抑制し生存率を改善しうる有用な治療法と考えられたまたPEG-IFNは肝再生抑制作用を認めないことから拡大肝切除後早期から使用可能と考えられた
索引用語