セッション情報 |
パネルディスカッション8.
肝癌再発進展阻止を目指して
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タイトル |
PD8-08 肝細胞癌に対する経動脈的治療法の位置付け
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演者 |
田中基彦(熊本大学消化器内科学) |
共同演者 |
高岡了(熊本大学消化器内科学), 佐々木裕(熊本大学消化器内科学) |
抄録 |
【目的1根治的治療が困難な肝細胞癌に対してはTACEがさらにTACEによる治療制御が困難な進行肝癌に対しては肝動注化学療法が選択される場合が多いt今回TACE肝動注化学療法の治療成績と寄与因子の解析を行った.【対象と方法】2004年以降に当科で施行し評価可能であったClsplatin(CDDP)またはEpiru・bicin(EPI)により治療したTACE施行例221例332肝癌結節について直接治療効果度を評価した.さらにTE4(腫瘍壊死効果100%)が得られた結節において局所再発を検討した.一方同時期にStage HI/IVの進行肝癌に対して施行した動注化学療法としてのLow dose FP(LFP)28例およびIFN併用5FU(IFN/5FU)23例の計51例(リンパ節転移あり3例遠隔転移あり14例)についても解析した.【結果】TE4の達成率は542%(180/332)であった.ロジスティック回帰分析により「ゼラチンによる塞栓」がTE4達成に寄与する有意な因子であった(RR:2.27p;O.021). TE4の達成された結節のKaplan-Meier法による累積再発率は1年で490%2年で79.5%であった.Cox比例ハザードモデルによる解析では腫瘍径使用薬剤が局所再発に関わる独立因子でありCDDPによる治療はEPIによる治療に比して再発が少なかった(RR:O.50p = O.005).累積再発率はEPI治療の1年62.6%2年89.4%に対してCDDP治療ではそれぞれ25.0%66.7%であった(p=0ρ06).一方動注化学療法の治療効果はLFPではCR 1例PR8例SD 8例PD 11例、奏効率321%生存率1年37.5%2年28.1%IFN/5FUではCR 3例PR 7例SD 6例PD 7例t奏効率43.5%生存率1年61.3%2年204%であった.奏効に寄与する因子は遠隔/リンパ節転移のないことであり(RR:690p=0.042)PD群では他の群に比して有意にPIVKA llが高くPDに寄与する因子は遠隔/リンパ節転移を有することであった(RR:760p=0.019)【結語】TACEではCDDPを使用した治療の方が再発抑止に効果が高い可能性があり肝動注化学療法は転移のない症例により有用と考えられる. |
索引用語 |
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