セッション情報 パネルディスカッション8.

肝癌再発進展阻止を目指して

タイトル

PD8-09 高度進行肝細胞癌に対するIFNと5FU系製剤の併用療法-肝内病変に対する治療法と肝外病変に対する治療法-

演者 宇賀公宣(広島大学分子病態制御内科学)
共同演者 相方浩(広島大学分子病態制御内科学), 茶山一彰(広島大学分子病態制御内科学)
抄録 【目的】近年高度進行肝細胞癌(肝癌)に対するIFN併用5FU動注化学療法(IFN/5FU)の有用性が報告されている今回当科にて施行したIFN/5FU及び肝外転移合併例に対するTS-1とIFNの併用療法(TS-1/IFN)の治療成績を検討した1方法】対象はA. IFN/5FUを施行したStage]皿一IVB進行肝癌93例.(Stage lll/IVA/IVB23/44/26例)B.肝外転移合併例に対するTS1/IFNのpilotstudyに同意が得られた29例.(肺/骨/リンパ節転移 19/7/3例). A. IFN/5-FU;2週間を1クールとし5-FU(500mg/body)を2週間5投2休で動注IFN(IFN一α2b 300万単位又はnlFN一α500万単位)は週3日2週間筋注数週間断出し有効と判断された場合は反復した.BTS1/IFN;2週間を1クールとして;TS-1(体表面積から用量設定)は連日内服投与.IFNは週3日2週間筋注【成績】A、肝内病変に対する2クール終了時の効果(初期効果)はCR/PR/SD/PD/Drop-out(DO):1/25/20/32/15例で奏効率(OR)は28%CR/PR例の累積無増悪期間(TTP)は05年82%SD例では0.5年24%PD/DO例では0.5年0%。 CRPR例の累積生存率(SP)は1年72%SD例では1年16%PDDO例では1年11%.CR/PR群はその他に比べ有意にTTPSPが高かった(p<α001). B.初期効果はCR/PR/SD/PD/DO:1/4/4/12/8例でORは17%. DOの内訳は食欲不振3例皮疹2例原発巣増悪1例血小板減少1例口内炎1例.CR/PR/SD例のTTPは0.5年50%t PD/DO例では05年0%CR/PR/SD例のSPは1年86コ口PD/DO例では1年20%CR/PR/SD群はその他に比べ有意にTTP(p<O.001)SP(p=O.OO1)が高かった.臓器別では肺例(OR 21%)が骨例(OR O%)に比べ有意にTTP(p=O.0058)SP(p=O.0015)が高かった.【結論】高度進行肝癌に対するIFNと5FU系製剤の併用療法は一定の治療効果が期待できると考えられた.肺症例にはTS1/IFN有効である可能性が示唆された.
索引用語