セッション情報 パネルディスカッション8.

肝癌再発進展阻止を目指して

タイトル

PD8-11 肝癌の再発予防あるいは進展阻止を目的とした自家がんワクチン療法

演者 古倉聡(京都府立医大免疫内科)
共同演者 吉川敏一(京都府立医大免疫内科), 武田隆久(たけだ免疫遺伝子クリニック)
抄録 【目的】自家がんワクチン療法は患者自身の癌組織からワクチンを作成しそれを皮内に投与するワクチン療法である.われわれは2004年10月頃り各種癌に対して80例を超える自家がんワクチン療法を行なってきた.今回肝癌に対する根治的肝切除術後の癌再発予防および術後再発肝癌に対して局所療法施行後の再発予防を目的とした自家がんワクチン療法の有効性について検討したので報告する.【方法】肝癌の根治的肝切除手術直後あるいは術後肝癌の再発を繰り返す症例に対して摘出腫瘍から自家がんワクチンを作成し2週間間隔で3回皮内投与した.治療に先立って武田病院グループ医学倫理委員会の承認を得た.ワクチン投与後の肝癌の再発の有無を画像診断と腫瘍マーカーで追跡した.再発予防に関わる治療としては自家がんワクチン療法以外には何も施行しなかった.【成績】肝癌切除後再発予防目的で自家がんワクチン療法を施行した症例が4例切除後再発癌に対して治療目的にワクチン療法を施行した症例が3例である.切除後再発予防目的で施行した4例中3例は治療後3年以上再発を認めていない.再発を認めた1例は自家がんワクチン療法を施行後15ヶ月後に再発癌を1つ認めたがその病変を治療後18ヶ月再再発を認めていない.一方切除後再発癌に対して治療目的で施行した場合には奏功例はなかった.【結論】自家がんワクチン療法はすでに存在する再発癌に対する抗腫瘍効果は認めなかったが肝癌再発予防に有効であることが示唆された.
索引用語