セッション情報 ワークショップ1.

進行消化器癌の集学的治療(肝癌を除く)

タイトル

W1-01 食道癌に対する5FU-Nedaplatin/放射線照射による交替療法後の再発・新病変に対する診療戦略(光線力学的治療を中心に)

演者 磯本一^*(*^長崎大学第二内科)
共同演者 井上直樹^*(*^長崎大学第二内科), 松島加代子^*(*^長崎大学第二内科), 林靖之^**(*^長崎大学第二内科), 山崎拓也^**(*^長崎大学第二内科)
抄録 【目的】食道癌に対する化学放射線療法(CRT)は根治手術に匹敵する治療法として認知されてきた一方で経過観察の検査体系や再発時の治療法の確立が重要となる本発表では当院での食道癌CRTの治療成績及び治療後の局所再発・新病変に対する診断方法やsalvage therapy特に光線力学的治療(PDT)を中心に報告する.【方法】2007年9月まで当院でCRTを行った食道癌59例を検討した.CRTの化学療法のレジメは3クールのNedaplatinと5FUの併用としこれと交替して放射線照射を行った(計63Gy).内視鏡・CTによる経過観察は3ヶ月に1度を基本とし内視鏡検査時には拡大内視鏡で微小血管パターン(IPCL)を中心に観察したが直後にはルゴール散布も行って確認した.局所再発・新病変に対するsalvage therapyとしてはIPCLを参考にm2まではEMRm3以深では外科手術を原則としたがこれらを施行し得なかった症例にはPDTを選択した.PDTはポルフィリン化合物であるフォトプリンを静注後2-3日後に630nmのレーザー光を単位面積当80J照射した(EDL-1浜松ホトニクス社製).【成績】完全奏功率は全体で32/59(54.2%)であった.死亡5例以外の27CR例中10例(高度異形成含)の局所再発・新病変を認めた.治療法としてはEMRが4例でEMR困難例ではアルゴンプラズマ凝固療法(APC1例)やPDT(2例)を選択した.3例ではIPCLがV3-VNであり手術を勧めたが希望でPDTを施行した.PDT施行5例中2例には表在性の遺残病変がみられたためAPCを追加した重篤な合併症はなく10例とも生存中である.【結論】CRT後も局所再発や新病変は少なくないため拡大観察を用いた詳細な内視鏡検査によって早期発見に努め深達度に応じた侵襲の少ないsalvage therapyを施行することが重要である.
索引用語