セッション情報 ワークショップ1.

進行消化器癌の集学的治療(肝癌を除く)

タイトル

W1-07 胆管癌の集学的治療:Neoadjuvant chemo-radiation therapyの安全性と期待

演者 片寄友(東北大学肝胆膵外科)
共同演者 江川新一(東北大学肝胆膵外科), 海野倫明(東北大学肝胆膵外科)
抄録 【はじめに】胆道癌に対してゲムシタビンおよびS-1が保険認可され胆道癌に対しても積極的に化学療法が進みつつあるが胆管癌の予後は根治手術が未だ第1である.一方食道癌では5FU+シスプラチン術前補助療法と術後補助療法のランダム化比較試験(JCOG9907)の結果が一部早期公表されて5-FU/CDDP療法2コースを術前に行うほうが術後に行うよりもより生存率が向上するという結果で術前補助療法に期待が高まっている.そこで今後術前放射線化学療法(Neoadjuvant chemo-radiation therapy;NACRT)は胆管癌でも進めなければならない治療であるがNACRT後に肝切除を加える安全性などについては確立されていない【目的】NACRT後の安全性を確立するためNACRTのPilot Studyを検討し第1相試験開始について検討した.【結果】胆管癌を対象とした放射線化学療法のPilot Studyの検討ではNACRT開始した10例中肝転移を認め治療を中止した1例を除いた9例が手術施行しそのうち7例に切除を施行し2例が癌性腹膜炎等にて開腹術に終わった術式は卜占系の切除が3例PDが2例胆管切除が2例であった.術後経過は右潮曇を含む全例においてNACRTが原因と思われる周無期の合併症は無かった病理結果により6例が根治度Aで1例が根治度CでありNACRTを開始した60%が根治度Aであり過去の当施設の根治度A+Bの62%と同等でありNACRTを施行しても全体の根治度の低下ににはならず術前の治療期間による手術時の不利益は無いと考える.しかしPilotStudy中のゲムシタビン投与の完遂率であるが投与回数中央値3回で半数が完遂されていない.そこで現在ゲムシタビンの至適投与量決定および安全性確認のため第1相試験を現在施行中である.【まとめ】Pilot Studyでは現在のところ術前治療による手術合併症など無くまた術前治療中に進行して非切除となった例の増加は認められず不利益は認めら得ないため第1相試験開始となった.
索引用語