セッション情報 |
ワークショップ2.
消化器疾患治療におけるクリティカルパス
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タイトル |
W2-01 胃腫瘍性病変に対する当院ESDパスのバリアンス分析による改訂
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演者 |
上原正義(済生会熊本病院消化器病センター) |
共同演者 |
多田修治(済生会熊本病院消化器病センター), 須古博信(済生会熊本病院消化器病センター) |
抄録 |
【目的】当院では2001年11月より早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(以下ESD)を行っている.2005年5月以来7泊8日の現行パスを使用しているが今回バリアンス分析を行いパスの改訂を行った.【方法】2006年度(2006.41-2007.3.31)にESDを行った胃腫瘍性病変の内パスを使用した116病変114症例(パス適応率95%)を対象にバリアンス分析を行った.また最:もパス中止の原因となった術後出血に対して胃ESD全症例(459病変)を対象に出血の時期や項目として年齢・病変の大きさ・部位・適応基準・術者間別の出血リスクの分析を行った術後出血は止血処置を行った症例と定義し緊急出血例と検査時出血例に亜分類した【結果】平均在院日数は9.1日パス中止例は18例(15.8%)に認めた.中止となったバリアンスは術後出血6例腰痛4例発熱4例穿孔2例社会的要因2例であり術後出血がパス中止の最も多い要因であった.術後出血はESD全症例中では40回38症例(8.9%)に認めた緊急出血例は24回22例(5.4%)でありそのうち13回(54.1%)は術後1日目までの欠食期間であった.また術後4目目以降の緊急出血例ではパス継続例は認めなかった.項目別では病変の大きさが4cmより大きいものでは緊急出血例が8例中2例(25%)となりパス基準から除外することにした.年齢・部位・適応基準・術者間では有意な差はなかった.【結論】緊急出血例の分析から退院日を術後6日目から術後5日目に変更可能と判断しパス日数を1日短縮した.緊急出血例の半数以上は術後1日以内の欠食期間であり血液凝固能の点から胃内PHを6前後に維持するため静注薬をH2 blockerからPPIに変更した.また4cmより大きい病変はパス適応基準から除外とした.ESDパスはバリアンス分析を定期的に行い改善すべき点を治療チームが情報を共有することが必要と考えられた. |
索引用語 |
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