セッション情報 ワークショップ2.

消化器疾患治療におけるクリティカルパス

タイトル

W2-03 内視鏡治療におけるクリティカルパスインシデント・アクシデントレポート(I・A)偶発症の視点からの検討

演者 岸原輝仁(癌研有明病院消化器センター内視鏡診療部)
共同演者 浦上尚之(癌研有明病院消化器センター内視鏡診療部), 五十嵐正広(癌研有明病院消化器センター内視鏡診療部)
抄録 【目的】11・Aレポートや内視鏡治療に伴う偶発症を分析することによってリスクマネージメントやクリティカルパスの改良にいかに反映されているか検証する.【対象】癌研有明病院において2001年1月から2006年3月までに提出された1・Aレポート2512件のうち消化器内視鏡関連の1・Aレポート109件(4.3%)と偶発症に関しては大腸内視鏡検査総数は21572例のうち治療内視鏡例10026例・21878病変を対象とした.【方法】a消化器内視鏡関連1・Aレポートの内訳を分析する.b治療に伴う偶発症の発生率や因子について検討する. c時系列によるシステムおよびクリニカルパスの改良点や治療の変化を明らかにする.【結果】1・Aレポートの分析は1治療に伴うもの62件2前処置薬鎮静剤に伴うもの9件3患者名の入力等に伴うもの7件4検体の紛失に関する6件であった.また内視鏡的大腸ポリープ切除術に伴う偶発症の検討の結果a.偶発症の発生頻度は0.8%(出血:0.8%穿孔: O.1%TMB:0.03%)b.出血したポリープの特徴は手技IESD/EPMR/ERI腫瘍径{≧20mmL部位IR/C}多い傾向を認めた.穿孔・TMB事例は偶発症の多い因子は手技{ESD}腫瘍径1≧30㎜}であった.これらの分析と検討はシステムの問題点を明確とし多数の目での議論がしゃすくクリニティクパスの改良が可能となった.【結論】1・Aレポートの意義はシステム改良の変更点やクリニティルパスの盲点を把握するために有用であった.治療に伴う1・Aレポートは技術の反省が多く穿孔率の減少やリスクマネージメントに反映されている.また偶発症の発症率を把握することは治療前の患者に対してインフォームドコンセントを行う上で重要である.
索引用語