セッション情報 |
ワークショップ2.
消化器疾患治療におけるクリティカルパス
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タイトル |
W2-09 出血性消化性潰瘍のクリニカルパス導入の有用性の検討
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演者 |
水城啓(東京都済生会中央病院内科) |
共同演者 |
立道昌幸(昭和大学医学部衛生学), 塚田信廣(東京都済生会中央病院内科) |
抄録 |
【目的】早期退院(6日間)を目的とした出血性消化性潰瘍におけるクリニカルパス(以下パス)を試作導入しその有用性と問題点を検討した【対象と方法】2000年1月より2006年12月に当院で緊急内視鏡検査にて出血性消化性潰瘍と診断され内視鏡治療後入院時から併存疾患の治療を必要としない症例をパス適応例とした.出血性消化性潰瘍の診断治療フローチャートを作成した.内視鏡検査にて潰瘍底がForrest分類1-Haであれば止血術(クリップ法純エタノール局注法HSE局注法を単独または併用)を施行.終了後パス適応を決定する.第2蹴鞠内視鏡再検しHb一皿であれば生検を行い第3二日より食事開始.1-Ilaでは追加治療を行い第3病日再検し以後第2病一目と同様に行う」食事開始まではH2受容体拮抗薬静注食事開始後はPPI内服とした.食事開始後3日間経過観察し退院を決定したバリァンスは3回以上の止血術施行例入院中他疾患の合併等により潰瘍以外の治療が必要と認めたものと定義したまたパス導入以前の97-99年に入院し今回のパス適合例に相当する症例と比較しパス導入の有用性を検証した.【成田】期間中出血性消化性潰瘍症例は263例(うち入院内発症51例)パス適応例161例(パス適応率75.9%).パス適応例の患者背景平均年齢544±14.9(19-85)歳.男/女138/21.胃潰瘍/十二指腸潰瘍107/54.輸血施行例38(5.2±4.4単位).H.pylori感染率40.3%(46/114). NSAIDs服用例30(18.6%).バリアンス発生率は112%(18)バリアンスの内訳は3回以上の止血術施行6止血術に伴う潰瘍拡大3急性心筋梗塞を発症1脳梗塞を発症1他であった.パス導入による有用性の検証では改善されたものは禁食期間(以下パス前後の順)5.1±3.022±0.9日(p<O、05)在院日数10.0±4.66.8±2.7日(p<0.05)であった.パス遂行群において再出血再入院は認めなかった【結論】出血性消化性潰蕩のクリ門馬ルパスは安全で入院期間の短縮および医療費の軽減等に寄与した. |
索引用語 |
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