セッション情報 ワークショップ2.

消化器疾患治療におけるクリティカルパス

タイトル

W2-11 大腸EMRにおけるクリティカルパスの有用性

演者 白井孝之(東海大学消化器内科学)
共同演者 渡邊謙一(東海大学消化器内科学), 峯徹哉(東海大学消化器内科学)
抄録 【目的】当院では2000年7月目大腸腫瘍に対する内視鏡的切除術のクリティカルパス(CP)を導入した.当初は2泊3日でスタートし2001年4月目り1泊2日および日帰り入院のCPに変更した.その後も運用の改良を加え7年間運用して来た.今回その効果問題点につき検討した.【方法】CPの適応は70歳未満1日目程度以上の腫瘍性病変あるいは出血等の含併症を有する病変.4個以下最大径2cm以下血液疾患や心肺肝腎等に重篤な合併症を有さないもので抗血栓療法を行っている患者は原則除外した施行医は経験3年以上(消化器内視鏡専門医相当)とし技術レベルの一定化を図ったICは外来時に文書にて取得.全例コーディネーターが関与し事前チェック(チェック表を用い漏れがなくかつ簡明化)および術後経過のチェックを行った.こうした運用実績をもとにCP導入前後の在院日数バリアンス偶発症を比較評価した.【成績】年度毎の全ての大腸EMR例に占めるCP運用実績は1年目55/159例2年目92/146例5年目120/221例とばらつきはあるが増加傾向を示した.同疾患の平均在院日数は導入前年の5.0日から導入1年目4、1日2年後34日5年目2.9日と短縮した.メジャーなバリアンスの発生率は42%でありその内訳は術後出血10件(うち追加内視鏡7件入院4件)微小穿孔1例(保存的)他の理由による入院延長4件当日キャンセル2件であった.一方非CP例では同期間に4件の穿孔を生じた【結論】大腸EMRのCP導入は外来業務の負担増を招くが在院期間の短縮技術レベルの標準化術前後の患者ケアや指示の一定化が図れ役割分担の整理潜在的なリスクを事前回避し安全管理上も有用と思われた効率的で安全な運用のためには適応条件の設定が重要で更なる業務分担とフローの改善が不可欠である
索引用語