セッション情報 ワークショップ2.

消化器疾患治療におけるクリティカルパス

タイトル

W2-13 内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)に対するクリニカルパスの有用性

演者 宇野耕治(京都第二赤十字病院消化器科)
共同演者 河端秀明(京都第二赤十字病院消化器科), 安田健治朗(京都第二赤十字病院消化器科)
抄録 【背景】当院では2002年にクリニカルパス(パス)委員会が正式に発足し当科ではこれまでにESTERCPERBDESWLPTGBAPTCD等の胆膵内視鏡検査・治療のパスをはじめとして21のパスを作成している.代表的な二塁内視鏡治療手技であるESTのパス(ESTパス)はt 2005年より試用を開始しコメディカルからの要望やDPC導入等により種々の改訂を加えた後に2006年7月より現行の内容(改訂版)で運用している.ESTパスは他の大部分のパスと同様に同一入院中に複数のパスを併用可能な短期パス型式としている.【目的】当科のESTパスについて評価する.【対象と方法】2005年~2007年6月にESTパスを適用した膵胆道疾患は269例でありそのうち改訂版を118例に用いている.今回は改訂版使用例におけるバリアンス分析を行うとともに短期パスとして他のパスとの併用状況について分析した.改訂版使用例の男女比は1:1平均年齢は68.3歳疾患の内訳は膵胆管結石87例悪性胆道狭窄30例良性胆道狭窄1例であった.【結果と考察】対象症例のうちバリアンス発生が事前に想定された症例が37例で約3割を占めていた.その発生原因は胆管炎・膵炎合併が33例と大部分を占めており胆管炎・膵炎合併例への対応が今後の課題である.上記37例を除く81例のうちバリアンス発生例は51例であったtこのうち逸脱が10例変動が41例で逸脱の原因は術後膵炎発生が8例と大部分を占めていた.また変動の内容は術後膵酵素の軽度上昇や腹部症状出現に伴う食事や投薬の一時的変更が30例と大部分を占めていたがいずれも軽微なものであった.また69例と半数以上の症例で他のパスを併用しており短期パス型式の有用性が示唆された.併用した主なパスは胆管ステント留置およびERCP(結石除去)であった.【結論】ESTパスは有用なツールと考えられるが問題点を踏まえての更なる改訂が必要である.
索引用語