セッション情報 |
ワークショップ3.
多臓器病変を呈する消化器疾患
|
タイトル |
W3-04 重症肝・膵疾患における多臓器不全の病態解析-ADAMTS13を中心に
|
演者 |
植村正人(奈良県立医科大学第3内科) |
共同演者 |
藤村吉博(奈良県立医科大学輸血部), 福井博(奈良県立医科大学第3内科) |
抄録 |
【目的】急性肝不全(AHF)重症アルコール性肝炎(SA且)ならびに重症急性膵炎(SAP)はt高率に多臓器不全を来たす予後不良な疾患であるがその発生機序は未だ十分解明されていない.ADAMTS13は血管内皮細胞から放畠され血小板と最も反応性に富む超高分子量VWF mUltimer(UL-VWFM)を分解する.本酵素活性が低下するとUL-VWFMが増加し血栓形成傾向が強くなり諸臓器の微小循環障害が惹起される.今回AHFSAHおよびSAPにおける血漿ADAMTS13活性VWF抗原およびUL-VWFMを測定しその病態生理学的意義を検討した.【方法1対象は急性肝炎(AH)26例AHF11例アルコール性肝炎(AL)23例SAH5例SAP13例うち死亡例はAHF9例SAH3例SAP2例である.血漿ADAMTSI3活性およびVWF抗原はELISAUL-VWFMはアが中心スゲル電気泳動にて測定した.1結果】AHALAHFSAH極期のADAMTS13活性は健常者100%に対しそれぞれ70%58%26%24%VWF抗原は229%544%856%1000%とAHFSAHにおいてADAMTS13活性の著減VWFの著増が観察されたAHAL回復期にはADAMTS13活性は上昇しVWF抗原は低下したが多臓器不全合併死亡AHFSAHではADAMTSI3活性は著減しVWF抗原は高値を持続した. SAP生存例のADAMTS13活性は入院第1~2病日(極期)に最低値(38%)に達した後増加したが多臓器不全合併死亡例では持続低目(10~15%)を示した.VWF抗原は極期に著増(402%)した後回復例では低下傾向を示したが死亡例では高値(369%~443%)を持続した.UL-VWFMはAHFSAH極期の80%SAP極期の55%に検出された【結果1急性肝疾患ならびにSAPの重症度が増すにつれてADAMTSユ3活性は低下しVWF抗原は増加する.多臓器不全合併死亡例ではADAMTS13活性はさらに低値を示しUL-VWFMが高率に出現することから本酵素と基質の不均衡はAHFSAHおよびSAPにおいて微小循環障害に伴う多臓器不全の一因を担っている可能性がある. |
索引用語 |
|