セッション情報 ワークショップ3.

多臓器病変を呈する消化器疾患

タイトル

W3-05 心筋症を伴う自己免疫性肝疾患

演者 大久保政雄(東京逓信病院消化器科)
共同演者 橋本直明(東京逓信病院消化器科), 伊藤敬(東京逓信病院循環器科)
抄録 高血圧を除けば慢性肝疾患に合併する心疾患は比較的少ないと考えられる.特に心筋症は消化器科の日常臨床では経験する機会の少ない疾患である.我々は心筋症を合併した自己免疫性肝疾患(自己免疫性肝炎原発性胆汁性肝硬変 各2例)を経験したので報告する.【症例1】他院でAMA(+)軽度肝機能障害程度でPBCと診断されていた.同時期にHCMAV blockで循環器科併雨中. HLA typingはHLA-A 11/24B 48/6生CW 4DRB11501/0406(DR 2/4)であった.【症例2】ECG異常の精査の結果HCMと診断.また肝機能障害(GOT 555GPT545ALP 241IgG 2865)ありANA(+)肝生検とあわせAIH score18点でAIHと診断. PSL 15mg内服にて経過良好であった.本例ではHLA-A 11/24B 54/62DRBI 1SO2/0406(DR 2/4)であった.【症例3】肝機能障害5年経過しAIHと診断.入院加療中に心不全の増悪認めUCGでHOCMと診断した.本症例ではHLA-A A2/A11B54(22)/B35HLA DRB1*0403/*1201(DR 4)であった.【症例4】他院でHCMの診断で経過加療中.今回食欲低下で入院3年前より軽度肝障害と胆道系酵素の上昇あり今回の入院でAMA陽性.全身状態が不良のため生検できす無症候性PBCと診断. HLAの検索もできず.【結論】心筋症は心筋蛋白の遺伝子異常であるといわれているが現在でもHLAと関連した報告がなされている.一方肌A-A一B一C一DRはいくつもの自己免疫疾患を惹起するものと考えられている.中でもHLA-DR4はRAIDDMで陽性になるといわれているがHOCMでも陽性例の報告が多い.また自己免疫性肝疾患との関連性は報告がなく日常診療でも見逃されている可能性があるために今後も自己免疫性肝疾患と心筋症HLAとの関連性を検討していく必要があると考えられた.
索引用語