セッション情報 |
ワークショップ3.
多臓器病変を呈する消化器疾患
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タイトル |
W3-06 硬化性胆管炎における大腸病変の疾患マーカーとしての意義
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演者 |
内藤格(名古屋市立大学消化器・代謝内科学) |
共同演者 |
中沢貴宏(名古屋市立大学消化器・代謝内科学), 城卓志(名古屋市立大学消化器・代謝内科学) |
抄録 |
【目的】欧米では炎症性腸疾患(IBD)特に潰瘍性大腸炎(UC)は原発性硬化性胆管炎(PSC)に高率に合併すると報告されている.そこで硬化性胆管炎に合併する大腸病変の疾患マーカーとしての意義について検討した.【方法】対象は硬化性胆管炎82例で内訳はPSC35例自己免疫性膵炎に合併した硬化性胆管炎(SC with AIP)47例であった.またPSCを合併しないUC60例を比較対象とした.硬化性胆管炎におけるIBD合併の有無とその臨床的特徴および内視鏡所見病理組織学的所について検討を行った.【結果】1)IBDの合併:PSC35例中BDを16例(46%)に認めた.内訳はUC14例(40%)診断時にUCあるいはクローン病との鑑別が困難な血detemルnate colitisが2例(4%)であった.一方SC with AIPではIBDの合併は認めなかった2)IBD合併の有無でのPSCの特徴:診断時年齢はIBD合併例35歳JBD非合併例50歳と有意にIBD合併例で若年であった.3)PSC合併UCの発症経過:7例でPSCがUCに先行し他の3例はUCがPSCに先行していたPSCとUCが同時に診断された症例は5例であった.4)PSC合併UCの特徴:a)臨床経過で無症状例がPSC合併例7例(47%)PSC非合併例0例(0%)と有意に高率であった. b)診断時罹患範囲で右側結腸型がPSC合併例9例(60%)PSC非合併例2例(3、3%)と有意に高頻度であったc)再燃発作回数がPSC合併例OA回PSC非合併例18回と有意に低率であった.d)経過にて全結腸型の5例中3例(60%)は右側優位の病変に変化しており全経過では15例申12例(80%)で右側結腸に病勢が強く他部位の腸管病変は認めないか軽微であった5)PSC合併IBDの病理組織学的特徴:炎症細胞浸潤の程度をseveremoderatemildにわけて検討すると右側結腸に所見が著明であった.【結論】硬化性胆管炎において大腸病変としてのIBDの存在はPscとsc with AIPの鑑別に有用でありまた臨床症状が軽度であり右側結腸に病勢が強いUCの存在はPSC診断の疾患マーカーとしても特異性が高いと考えられた. |
索引用語 |
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