セッション情報 |
ワークショップ3.
多臓器病変を呈する消化器疾患
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タイトル |
W3-09 食道アカラシアにおける胆道排泄異常の検討
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演者 |
小野昌弘(香川大学消化器・神経内科) |
共同演者 |
内田尚仁(香川大学消化器・神経内科), 有友雄一(香川大学消化器・神経内科) |
抄録 |
【目的】食道アカラシアは食道の自律神経支配異常に起因する下部食道括約筋の弛緩不全を主な病態とする疾患である.組織学的にはAuer-bach神経叢の変性と消失を認めるが障害部位をより上位の延髄食道運動中枢神経異常』とする説などがあるまた近年肛門括約筋異常の合併などが報告され多彩な消化器機能異常を伴う可能性が示唆されている.そこでアカラシアにおけるOddi筋機能を評価した。【方法】アカラシアの診断は食道内圧測定造影所見および臨床症状に基づいた.Aカラシア20症例(男性4例女性16例平均年齢60.6歳)に対して胆道シンチグラフィーを施行した.空腹時に99MTc-PMT(185MBq)を静注し経時的に撮像することにより十二指腸への胆汁の能動的排泄能を検討した.また腹部usによってOddi筋機能異常をきたす可能性のある膵胆道疾患の有無を検索した.【結果】正常例における胆道シンチグラフィーでは静注後10分以内に肝が描出され15~30分後に総胆管胆嚢が描出され15~35分後に十二指腸への排泄が確認されるがアカラシアの20例中12例(66.6%)において十二指腸への排泄遅延を認めた.これらにおいては肝胆道への排泄時聞は正常であるにも拘わらず十二指腸への排泄時間は50分以上でありOddi筋機能異常の存在が示唆された. usでは胆嚢結石と胆嚢ポリープが1例ずつみられた.20症例ともに十二指腸乳頭機能不全を示唆する自覚症状は認めなかった.【結論1アカラシアでは十二指腸への胆汁排泄遅延を20血中13例(65.0%)に認めたことよりアカラシアと胆汁排泄異常との関連性が示唆された従ってアカラシアにおける神経障害機序にはAuerbach神経叢の局所障害によるもの以外により上位の神経障害が原因である症例が含まれていると考えられた. |
索引用語 |
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