セッション情報 ワークショップ3.

多臓器病変を呈する消化器疾患

タイトル

W3-13 Schonlein Henoch紫斑病に伴う消化器病変についての検討

演者 西山竜(駿河台日本大学病院消化器肝臓内科)
共同演者 荻原章史(駿河台日本大学病院消化器肝臓内科), 森山光彦(駿河台日本大学病院消化器肝臓内科)
抄録 【目的】Schonle三n-Henoch紫斑病(以下SHP)はアレルギー機序による全身性の細血管炎であり白血球破壊性血管炎を伴う紫斑を特徴とする疾患である.臨床症状は皮膚症状消化器症状関節症状が三主徴である.消化器症状が皮膚症状に先行して出現するSHPの頻度は10~20%であるがこの場合診断に苦慮することが多い.診断には内視鏡検査が有用であるとされる.今回我々は当院の皮膚科内科など検索可能な範囲における成人SHP症例の臨床症状及び消化器病変について検討したので報告する.【対象】2002年9月から2007年8月までの5年間で日本大学付属板橋病院および駿河台病院にてSHPと診断された成人20症例とする【結果および考察1初発症状の検討では皮膚症状が65%(13/20例)関節症状は30%(6/20例)であり消化器症状が他症状に先行したSHPは30%(6/20例)の症例に認められた。経過中に認めた症状の検討では皮膚症状が100%(20/20例)f関節症状は50%(10/20例)消化器症状は80%’(16/20例)の症例に認められた消化器症状の内訳は腹痛88%(14/16例)下痢38%(6/16例)血便19%(3/16例)であった蛋白尿を伴った症例は58%(11/19例)であったまたSHP発症前に扁桃腫大を伴う上気道炎だった症例は55%(11/20例)存在した.消化器症状に対する各種検査における検討では内視鏡検査では食道7%(1/15)胃60%(9/15例)十二指腸を含む小腸81%(13/16例)大腸50%(6/12)において有所見であった特に十二指腸を含む小腸では潰瘍が形成された症例が多かった.胃大腸では多発する特異な紅斑が認められた。一部の症例で行われた腹部超音波CT検査では腸管壁の肥厚が認められた.今回の検討では腹部症状を有するS且Pでは内視鏡の有所見率が高かった.内視鏡所見の特徴を熟知することは消化器症状が先行し診断に苦慮するSHPにおいて重要であると考えられたまた特異的ではないが腹痛の部位に対して非侵襲的な超音波検査を施行することは病変の見つけ出しや経過観察において有用であると思われた
索引用語