セッション情報 |
ワークショップ4.
消化管腫瘍の分子生物学的診断と治療
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タイトル |
W4-07 糞便中のmRNA発現を指標にしたFecal RNA Testによる大腸がん診断の有用性
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演者 |
金岡繁(浜松医科大学分子診断学) |
共同演者 |
吉田賢一(浜松医科大学分子診断学), 濱屋寧(浜松医科大学分子診断学) |
抄録 |
【目的】大腸がん死亡率減少を目指し便潜血検査より感度・特異度の高い非侵襲的検査が望まれている.我々は糞便中のCOX-2MMP-7Sna皿の発現を指標にした大腸がん診断法Feca1 RNA Test(以下FRT)を開発しその有用性を報告してきた.今回存在診断とともに病変の進適度ならびに占拠部位診断が可能か検討した.【方法】内視鏡的・病理的に診断された大腸癌70例10mm以上の腺腫14例と対照群34例を対象とした.糞便0.5gからRNAを抽出しRT-PCRでCOX-2MMP-7Snailの検出を試みた.またMPA法1回による免疫学的便潜血検査(FOBT)を行い比較検討した.【結果】対照群34例でCOX-2MMP-7Snailが検出されない様にnestedPCRを最適化後(特異度100%)癌に対する感度はCOX-2MMP-7SnaHで各々85.7コ口642%51.4%であり腺腫では各々57.1%50.0%57.1%であった.3分子のどれか1つでも陽性であるFRTの感度は癌で90.0%腺腫で85.7%部位別では右側875%左側91.3%と右側でも良好な感度を得た.一方FOBTの感度は癌73.5%腺腫357%であり特異度は82.4%(対照群34日中6例で陽性)であった部位では右側65.2%左側77.8%であった.病期分類ではFRTは0&1期:11/14』期:29/30M&V期:23/26であるのに対しFOBTは0&1期:5/13』期:23/29]III & V期:22/26であった.FRTとFOBTの腺腫~H期癌の感度は:89.7%vs 589%(P=0.0004)でありFRTが明らかに優れていた.また糞便中の発現レベルを0-4の5段階に分類すると進行癌では早期癌と比しCOX-2の糞便中の発現が有意に高くレベル2以上の発現での進行癌の陽性反応適中率は各々の分子で89。7%85.7%91.7%であった.また占拠部位別でみると左側癌では右側癌に比しSnailの糞便中の発現が有意に高く、レベル2以上の発現での左側癌の陽性反応適中率は各々の分子で77.1%76.2%83.3%であった.【結論1Fecal RNA testはFOBTより大腸がんの存在診断に優れ大まかな進行度等の質的診断の可能性をもつ |
索引用語 |
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