セッション情報 ワークショップ5.

消化管癌の自然史を見直す

タイトル

W5-02 胃型・腸型形質発現およびマイクロサテライト不安定性から見た胃癌の自然史

演者 溝下勤(名古屋市立大学・院医・消化器代謝内科学)
共同演者 片岡洋望(名古屋市立大学・院医・消化器代謝内科学), 城卓志(名古屋市立大学・院医・消化器代謝内科学)
抄録 【目的】胃癌は粘液形質発現によって病理組織型に関わらず引照形質を有する胃型胃癌鋳型形質を有する腸型胃癌に分類できることが知られている.我々はこれまでに胃癌での胃型・腸型形質発現の重要性を報告してきた(MizoshitaT.et aL Cancer Sci.97=38-442006).今回胃癌の自然史を胃型・腸型形質発現遣伝子修復に関わるマイクロサテライト不安定性(Microsateliite instability以下MSI)の面から臨床病理学的に検討した.【方法】1.粘膜内癌70例進行癌177例に対してHE染色と胃型(MUC5ACMuc6)あるいは腸型(Muc2villin)マーカーcdx2の免疫染色を行った.2、進行癌70例と粘膜内癌30例に対しては上記マーカーに加えて遺伝子修復酵素hMLHIの免疫染色を行った.進行胃癌20例に対してはBAT26を用いてMSIの検索を行った3.上記の同型・腸型形質発現マーカーにより胃癌症例を胃型(G)胃腸混合型(GI)腸型(1)ヌル型(N)に分類した【成績】L粘膜内癌70例は病理組織型に関係なくG22例GI 23例117例N8例に分類された.進行胃癌177例も同様にG32例GI 36例153例N56例に分類された.進行癌では粘膜内癌に比較して1の増加とGの減少が確認された.2.hMLH1発現消失はMSI陽性と強い関連があった(P<0.05)粘膜内癌の167%(5/30)でhMLH1発現消失が確認されすべてMUC5AC陽性分化型胃癌(Gが2例GIが3例)であったくP<O.05).進行癌でも18.6%(13/70)でhMLH1発現消失が確認されたが早期癌と異なりMUC5AC陽性分化型胃癌以外にも多彩な病理組織型や形質発現の胃癌が見られた.【結論】胃癌は発育進展に伴い胃型形質から腸型形質に変化する可能性が示唆された.MSI陽性かつMUC5AC陽性分化型胃癌は進行に伴って病理組織型あるいは形質発現が変化しやすい可能性がある
索引用語