セッション情報 ワークショップ5.

消化管癌の自然史を見直す

タイトル

W5-03 急速に発育したと考えられるsm massive以深胃癌症例の臨床病理学的検討

演者 小田丈二(東京都多摩がん検診センター消化器科)
共同演者 水谷勝(東京都多摩がん検診センター消化器科), 入口陽介(東京都多摩がん検診センター消化器科)
抄録 【目的】間接X線検診や上部消化管内視鏡検査において過去2年以内の検:査歴があるにもかかわらず時に驚くような発育を来す胃癌に遭遇しretrospectiveに検討しても診断困難な症例が存在する.今回我々はそのような症例の臨床病理学的特徴を明らかにすることを目的とした.【対象および方法】1998年4月から2007年3月までに当センターで診断外科的切除が施行され病理組織学的検討が十分可能な胃癌のうち過去2年以内に間接X線や内視鏡検査が施行されておりretrospectiveに検討しても病変の指摘が困難な症例を対象とした.間接X線で2年以内の経過でsm massive以深の胃癌となった22例と内視鏡検査で2年以内にsm massive以深となった15例について臨床病理学的検討を行った.【成績】間接X線検診経過症例22例の内訳はsm:4例mp:9例ss以深:9例一方内視鏡検査症例15例ではsm:10例mp=4例ss以深:1例であった.病変存在部位に関しては間接X線症例はU:9例M:7例L:6例内視鏡症例ではU:5例M:5例L:5例であった間接X線症例で部位Uは9例でうち8例がmp以深の進行癌であり8例中6例は組織学的に凹型形質であった.また内視鏡症例で部位Uは5例ありうち4例が深達度mpの進行癌であった.粘液形質をみると胃癌36例中23例が胃型形質であった.【結論】今回の検討からretrospectiveに検討しても初期病変の指摘困難な症例は間接X線では胃上部U領域に多い傾向があった.また組織学的には間接X線内視鏡ともに胃型形質が多かった.
索引用語