セッション情報 |
ワークショップ5.
消化管癌の自然史を見直す
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タイトル |
W5-06追加 拡大観察により軽・中等度腺管腺腫と判断された小ポリープ(6mm以下)の自然史大腸癌術後例における検討
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演者 |
志村国彦(自治医科大学消化器外科) |
共同演者 |
冨樫一智(自治医科大学消化器外科), 堀江久永(自治医科大学消化器外科) |
抄録 |
【背景】大腸癌術後は異時性癌・腺腫の危険群と考えられるが6mm以下の隆起型・表面隆起型ポリープは癌である可能性はきわめて低く急速に増大するものはまれと考えられる.しかしこれを実証した報告はほんどない.【方法】97年5月より定期的に内視鏡検査を実施する大腸癌術後例(根治度A・B)のうち大腸内視鏡検査で6mm以下の隆起型・表面隆起型のポリープを対象とした.ポリープはすべて拡大観察を行い軽・中等度腺管腺腫と判断した場合には点墨後に無処置とし前向きに経過観察した.1例につき最大3病変までを無処置としそれ以外の病変は切除した腫瘍径は2mm以上の増減を有意とした.経過中“7mm以上に増大した場合”“悪性を疑う場合”“経過観察継続の同意の得られない場合”には切除した.【成績】2007年10月までの期間に372病変(2mm:1073mm:1484mm:845mm:266mm:7)が平均3.7年問経過観察された.腫瘍径の推移は不変299病変(80%)増大62病変(17%)縮小11病変(3%)であった.増大した62病変の増大の程度は2mm:373mm:174mm:35mm:36mm:112㎜:1であった.経過観察された搬はHIL型ピット369病変Hls型ピット3病変であり経過観察中にIV型ピットとなった病変が7病変存在した.95病変が経過観察後に切除され組織学的には過形成性ポリープ6病変軽・中等度腺管腺腫79病変鋸歯状腺腫4病変高度異型腺腫6病変であり癌はなかった.5年以上経過観察された136病変(2mm:423mm:574mm:305mm:7)の検討においても腫瘍径の推移は同様の推移を示した.【結論】拡大観察により軽・中等度腺管腺腫と判断され経過観察された6mm以下のポリープが急速に増大し癌となった例はなかった. |
索引用語 |
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