セッション情報 ワークショップ5.

消化管癌の自然史を見直す

タイトル

W5-11 マイクロアレイ解析による大腸進行癌の発育形式

演者
共同演者
抄録 【目的】大腸癌の発癌経路であるadenoma-carcinoma sequence及びde novo carcinogenesisは早期癌では各々隆起型(polypoid growthtype:PG)t平坦型(non-polypoid growth type:NPG)を示している.以前我々は遺伝子不安定性に着目し両者の相違を明らかにした(Cancer Sci 2006).今回は早期癌における両者の相違に関与する遺伝子群を明らかにし進行癌の発育形式(PG由来t NPG由来)を検討することを目的とした.【方法】大腸早期癌(SM癌)の発育形式(PGNPG)による遺伝子発現プロファイルの違いをマイクロアレイにて解析した.抽出された発育形式関連遺伝子を大腸進行癌(SS癌)に適応してPG由来とNPG由来に分類した.また発育形式による臨床病理学的所見を比較した.なお遺伝子解析は癌研究会ゲノムセンターとの共同研究で行った.【結果】SM癌におけるPG8病変NPG6病変の解析にて20個の遣伝子が抽出された.これらの遺伝子を用いてSS癌33病変の遺伝子をクラスター解析したところPG22病変NPG11病変に分類された.PG病変ではNPG病変に比しリンパ管侵襲陽性率リンパ節転移率が高い傾向がみられたが有意差はなかった.【結論】ゲノム解析にて進行癌(SS癌)の6割以上がPG由来すなわちadenoma-carcinoma sequence経路であることが示された.
索引用語