セッション情報 |
ワークショップ6.
Helicobacter感染症研究の進歩
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タイトル |
W6-02 PromoterとしてのHelicobacter pylori感染と胃癌発生-胃癌発生の自然経過と除菌療法後の経過から-
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演者 |
柳岡公彦(和歌山県立医科大学第2内科) |
共同演者 |
井口幹崇(和歌山県立医科大学第2内科), 一瀬雅夫(和歌山県立医科大学第2内科) |
抄録 |
【目的】胃癌発生とHelicobacter pylori(HP)感染との関連について確固たる疫学的データーが多数報告されている.一方HP除菌後にも依然として胃癌発生を認めることも事実である.演者らはHP除菌の胃癌発生に及ぼす影響を検討するためHP感染に伴う胃癌発生について10年間に及ぶ追跡研究を行った.【方法】中年男性からなるHP感染群3656例と除菌成功例473例について10年間追跡観察を行ない胃癌発生率について比較検討を行った.さらに梅圃について血清pepsino・gen(PG>値(血清PG値はPG1≦70かつPG1/2≦3を陽性)により胃粘膜萎縮の有無で分類しそれぞれについて除菌の胃癌発生予防効果を検討した.さらに発生胃癌について除菌の有無による病理学的差異を検討した.【結果】HP感染群3656例から10年間に55例の胃癌発生例(分化型癌36例未分化型癌19例)を認め年率はα16%であった.また血清PG値陽性群は1329例陰性群は2327例でありそれぞれ3025例の胃癌発生を認めた.除菌群473例からは10年間に5例の胃癌発生例(分化型癌4例未分化開閉1例)を認め年率はO.12%であった.また血清PG値陽性群は155例陰性群は318例でありそれぞれ32例の胃癌発生を認めた.【結論】除菌により胃癌発生は特に未分化型癌においては有意に抑制された(p〈O.05).一方萎縮性胃炎を発生母地とする分化型癌では胃癌発生は抑制されなかった.除菌後の胃癌発生は除菌前の萎縮性胃炎の程度胃炎進展程度により異なることが示唆され血清PG値により推察できる可能性が示唆された. |
索引用語 |
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