セッション情報 |
ワークショップ6.
Helicobacter感染症研究の進歩
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タイトル |
W6-05 Helicobacter pylori感染からみたネパール人ミャンマー人と日本人における胃粘膜萎縮抗壁細胞抗体の国際比較
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演者 |
松久威史(日本医科大学多摩永山病院消化器科) |
共同演者 |
山田宣孝(日本医科大学病理学第二教室), 上村直実(国立国際医療センター内視鏡部) |
抄録 |
【目的】抗壁細胞抗体(APCA)は胃壁細胞に対する自己抗体であるが悪性貧血に特異的な抗体ではない.ネパールミャンマー一日本におけるHelicobacter pylori(Hp)感染率は近似している.ネパール人ミャンマー人の胃粘膜萎縮とAPCA価をHp感染別に日本人と比較観察した.【対象と方法1ネパール(279例)ミャンマー(169例)日本(770例)の計1218例を使用し年齢性別をマッチさせて検討した.胃体下部小轡側の腺萎縮スコアはUpdated Sydney systemに従った.APCA価はFA法により測定し20倍以上を陽性とした血清ペプシノゲン(PG)はPGI≦70ng/mしかつPGI/II比≦3.0を陽性それ以外を陰性とした.【成績】Hp陽性ネパール人ミャンマー人の腺萎縮スコアは日本人に比し有意に低かった(ネ:OJI日:0.62P = O.OOOI119組ミ:0.06日:O53P<0000196組).ネパール人ミャンマー人日本人のAPCA陽性率はHp陽性陰性例で相違がなかった.日本人では高度萎縮例でのみAPCA陽性率が高かった.Hp陽性ネパール人のAPCA陽性率は日本人に比し高かった(各々26.1%12.6%P〈0.01).これをPG陰性陽性別にみるとPG陰性ネパール人のAPCA陽性率(27.8%)はPG陰性日本人(156%)に比し高かったがPG陽性例では相違を示さなかった.Hp陽性ミャンマー人と日本人の比較においても同様で(各々292%II.5%P<0.005)PG陰性ミャンマー人で日本人よりも高いAPCA陽性率を示した(各々30、1%、10.8%P<0.005). Hp陰性例ではネパールA日本人(106組)ミャンマー人日本人(61組)の陽性率に相違はみられなかった.【結論】日本人の高度萎縮例ではAPCA陽性率が高かった萎縮の軽いネパール人ミャンマー人ではHp陽性例陰性例とも日本人に比しAPCA陽性率が高くそれはPG陰性例において顕著であった.胃粘膜萎縮にはAPCA以外の因子の関与が示唆された. |
索引用語 |
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