セッション情報 ワークショップ7.

遺伝性消化管疾患の臨床像と遺伝子変異

タイトル

W7-01 大腸ポリポーシスの遺伝子解析とその意義

演者 田村和朗(近畿大学理工学部生命科学科)
共同演者 冨田尚裕(兵庫医科大学外科学)
抄録 【目的】大腸ポリポーシスの多くはAPC遺伝子の生殖細胞系列変異によって生じる常染色体性優性此伝疾患として認識されているが近年MUTyH遺伝子の両アレル変異に起因する劣性遺伝形式のMUTYH-associated polyposis(MAP)が報告され遺伝子情報と臨床像や自然史の相関や家系管理における意義が注目されている.このたび自験例をもとに遺伝子解析を行いその意義を検討したので報告する.【方法】大腸腺腫性ポリープが100個以上観察された大腸ポリポーシス104家系の発端者と多発性大腸腺腫症23家系の発端者を対象としAPC遺伝子およびMUTYH六白子をDNA sequencing法およびMLPA法で解析した.臨床像と遺伝子情報を統合し検討を加えた.【成績】大腸ポリポーシス家系において生殖細胞系列遣伝子変異が明らかになった家系はAPC遺伝子で87家系(83.7%)MUTγH遺伝子で5家系(4.8%)であった.多発性大腸腺腫症例では変異は確認できなかった.遺伝子異常とポリープ数深達酔止の表現型との関係が明らかとなった。また家系のマネージメントに重要な情報が得られた.【結論大腸ポリポーシスの診療に遺伝子解析は重要な情報を提供することが明らかとなった.
索引用語