セッション情報 |
ワークショップ7.
遺伝性消化管疾患の臨床像と遺伝子変異
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タイトル |
W7-03 Peutz-Jeghers症候群の臨床像と治療における検討
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演者 |
黒河聖(札幌厚生病院消化器科) |
共同演者 |
小澤広(札幌厚生病院消化器科), 今村哲理(札幌厚生病院消化器科) |
抄録 |
はじめに:Peutz-Jeghers症候群(pJS)は口唇指趾に特有な色素沈着を伴い消化管に多発性ポリープを有する優性遺伝の疾患で小児期に発症する.消化管ポリープは過誤腫であるが小腸に発生した場合腸重積の原因となることが多い.今回我々はPJSでの臨床像およびQOLを決定するポリープに対する治療について報告する.目的:PJSの臨床像と小腸ポリープに対するダブルバルーン小腸内視鏡(DBE)の有用性を検討する.対象および方法:札幌厚生病院において2004年からDBEが導入され2007年5月までPJS計4症例にDBEを施行した症例を対照に検討した.結果:臨床所見は全例口唇指趾に特有な色素沈着を伴っていた.年齢は14歳から57歳(平均38.8歳)の計4名.PJSの診断は1歳から23歳(平均14歳).腸重積による外科的手術は平均1回(手術歴のない症例は除く).PJSと診断されてから腸重積の手術までは平均16年(手術歴のない症例診断と同時に手術施行症例は除く).上記患者にDBE(経口的挿入3回経肛門的挿入7回)は10回施行(一人平均2.5回).小腸ポリープ計55個(一人平均13.75個)大きさ平均162mm(6mmから40mm)ポリペクトミー施行.出血穿孔膵炎等の合併症なしその後の平均観察期間は1年6ヶ月で腸重積等の発生を認めていない.考察: DBE導入以前はPJSの小腸ポリープに対して適切な治療がおこなえず腸重責時の手術時に術中内視鏡にて小腸ポリープを切除していた特に小児の場合経過観察中に腸重積を発症し緊急手術を施行された症例もいたDBEの導入にて現在PJSの腸重積を認めず手術をせず経過観察できている.手術歴のあるPJSの場合腸管の高度癒着症例も含まれDBEの治療に対して困難な状況を認めることもあるが小児期からの早めの治療と定期的な検査治療が腸重責の手術を回避できQOLの改善を認めると思われる. |
索引用語 |
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