セッション情報 |
ワークショップ7.
遺伝性消化管疾患の臨床像と遺伝子変異
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タイトル |
W7-04 Peutz-Jeghers症候群家族性大腸腺腫症におけるダブルバルーン内視鏡(DBE)の有用性
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演者 |
本田亘(名古屋大学大学院消化器内科学) |
共同演者 |
大宮直木(名古屋大学大学院消化器内科学), 後藤秀実(名古屋大学大学院消化器内科学) |
抄録 |
【目的】従来深部小腸の内視鏡観察は困難であったが近年DBEの開発により全小腸の内視鏡診断・治療が可能となった今風遺伝性消化管疾患におけるDBEの診断・治療の有用性を検討した【対象と方法】当院で2003年6月~2007年9月にDBEを施行した395例のうち遺伝性消化管疾患を認めた20例(男/女=11/9平均年齢31.8歳経口的アプローチ30件・経肛門的アプローチ24件)1結果】20例の内訳はPeutz-Jeghers症候群13例t家族性大腸腺腫症7例であったDBE下18例に生検もしくはポリペクトミーを施行し病理正診率は100.O%であった.Peutz-Jeghers症候群13例中11例に1-8回(平均3.1回)DBE下小腸ポリープ摘除術を施行し1-72個(平均18.3個)のポリープを摘除した.1例(摘除ポリープ数32個)に過誤腫内に腺腫合併がみられたp53免疫染色陽性だがエクソン5-8のp53遺伝子変異は陰性であった.別の1例(摘除ポリープ数72個)に小腸癌合併が見られた.腺腫・腺癌合併を認めた症例はいずれも摘除ポリープ数が多い傾向だった.13例中3例が入院時腸重積を起こしていた.3例とも保存的に症状改善後DBE下にポリペクトミーを施行した.ポリペクトミー以後腸重積は認めていない.家族性大腸腺腫症7例はDBE下生検にて全例で空腸腺腫十二指腸乳頭部腺腫が発見され回腸では病変を認めなかった.6例の腺腫は4mm以下の多発性小隆起として見られ1例に20mm大の空腸LSTを認めたが本人の希望で経過観察中である.小腸癌は1例も認めなかった.DBEの合併症はPeutz-Jeghers症候群2例で小腸ポリープ切除翌日に限局性の腹痛・発熱を認め別のPeutz-Jeghers症候群1例で経口的アプローチ後に急性膵炎を認めた.いずれも保存的に改善した.【結語】DBEはPeutz-Jeghers症候群・家族性大腸腺腫症の存在診断が全例で可能でああり病理聴診率は100.O%であった.Peutz-Jeghers症候群の小腸ポリープに対するDBE下治療は有用であった |
索引用語 |
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