セッション情報 ワークショップ7.

遺伝性消化管疾患の臨床像と遺伝子変異

タイトル

W7-06 家族性大腸腺腫症における細胞質ホスホリパーゼA2α遺伝子多型の解析

演者 梅野淳嗣(九州大学大学院病態機能内科学)
共同演者 松本主之(九州大学大学院病態機能内科学), 飯田三雄(九州大学大学院病態機能内科学)
抄録 【目的】細胞質ホスホリパーゼA2(cPLA2α)は膜リン脂質からアラキドン酸遊離を制御する酵素である.cPLA2α欠損マウスは腸管ポリープの形成が抑制されることが報告されている.今回我々は本邦の家族性大腸腺腫症患者(FAP)におけるcPLA2α遺伝子の一塩基多型(SNP)について解析し本症の消化管および消化管外病変との関係を検討した.【対象・方法】FAPと臨床的に確定診断され遺伝子解析の同意を得られた59家系73例(男性36例女性37例)の患者を対象とした.国際HapMapプロジェクトのデータベースを元に選択したcPLA2α遺伝子の7ヵ所のtag SNP(rs3820185、 rs17591814rs12746200rs12749354rs12042344rs12144159rs4402086)についてダイレクトシークエンス法を用い臨画子型のダイビングを行いtagSNPと臨床所見(大腸腺腫数大腸癌胃底腺ポリポーシス胃腺腫十二指腸腺腫乳頭腺腫網膜色素上皮過形成骨腫デスモイドの有無)との関連について検:討を行った.【結果】rs12746200のアレルAを持つ群ではGG群と比較し密生型(1000個以上)の大腸腺腫が有意に多かった。(AA+AG vs GG;38.9%vs O%p=O023).またrs3820185のアレルGで胃底腺ポリポーシスが有意に多かった(GvsT:605%vs 37.9%p ・O.OIO7OR O.40095%C.1. O.202-0.789).その他のSNPと臨床所見に有意な相関を認めなかった【結論1 cPLA2α遺伝子はFAPにおいて疾患修飾遺伝子の一つである可能性が示唆された.
索引用語