セッション情報 |
ワークショップ8.
B型慢性肝疾患の治療戦略
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タイトル |
W8-01 B型慢性肝炎に対する核酸アナログ治療戦略
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演者 |
木村俊之(広島大学分子病態制御内科学) |
共同演者 |
今村道雄(広島大学分子病態制御内科学), 茶山一彰(広島大学分子病態制御内科学) |
抄録 |
【目的】B型慢性肝炎に対する核酸アナログの成績を解析し今後の治療戦略を立てる.【対象】核酸アナログを投与した365例のうちラミブジン(LAM)を6ヶ月以上投与した201例LAMにアデフォビル(ADV)を併用した67例核酸アナuグ未治療でエンテカビル(ETV)を投与した20例LAMからETVへ切り換えた30例.また慢性肝炎(157例)および肝硬変(64例)に対する治療成績を比較検討した.【結果】核酸アナログ未治療例(na正ve例)の検討:naive例に対するLAM vs ETVの成績は投与24週後のDNAの低下が一3.4 vs 一38 log copy/mL(p=0.28)投与6ヵ月後のDNA陰性化率が79%vs 70%と同程度であり(p=O.51)ETV耐性株は認めていない.LAM耐性株出現例の検討:LAM耐性株によるBreakthrogh hepatitisを生じた症例ではt全例にADVを併用投与し経過良好である. LAM投与3年以後に耐性株が出現した4例中2例にADVを投与した.残り2例は経過観察し耐性株出現後もDNA 332.610g copy/mしでALTは正常と経過良好であるLAMからETVへの切り替え例の検討:LAM投与3年以内の症例では高感度PCRによりYMDD変異がないことを確認後ETVへ切り換え切り換えた全例でDNAの再増悪を認めていない.LAM+ADV投与中ADVによる副作用(Fanconi症候群)のためETVへ切り換えた1例は切り換え1年後にYVDD+S202G変異を認めたがDNA 4210g/mLALT 201U/mしであり経過観察中である肝硬変に対する検討:慢性肝炎と肝硬変でのLAM投与後のDNA低下(p=O.21)DNA陰性化率(p=063)HBeAg陰性化率(p=O89)耐性株出現率(p=O.35)は同程度でETV投与後のDNA低下も同程度であった(p=0.88).【結語】新規核酸アナログ投与例にはETVの投与t LAM耐性株に対してはADVの併用配列の解析で耐性株のない症例にはETVへの切り替えで耐性の出現は見られていない.また肝硬変患者に対する核酸アナログの治療成績は慢性肝炎患者と同程度であり慢性肝炎と同様の核酸アナログ投与が望ましい今後耐性株の簡便な検出法が必要である. |
索引用語 |
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